僕のカノジョは6個上 Vol.2

「彼女、自分よりも経験が豊富かも…」デートに誘った男が困惑した、女の発言とは

今まで知ってきた女性とは、違うタイプの女


「へえ、これがアサイーなんですか」

透は、スムージーをまじまじと見つめながら言った。何年も前に女性の間で大流行していたので、さすがに名前だけは知っていたが、飲んだのは初めてだ。

美味しくないとは思わないが、明日からはやはりアイスコーヒーにしようと心に決めた。

その後、アサイーをきっかけに少しだけ世間話をした。

他愛もない会話だが、くるくると表情を変えながら話す朱音に、透は魅了された。

朱音の話は、端々から教養を感じさせるし、知識も豊富だ。それでいて話も面白く、聞いていて飽きない。

こんな風に感じたのは初めてだった。

失礼だが、これまで付き合って来た女性に対して、話が面白いと思ったことは一度もない。正直、つまらなくて途中から耳を塞ぎたくなったこともあるほどだ。

朱音の話をもっと聞きたい。彼女とゆっくり話がしたい。心からそう思った。


それ以来、彼女とは顔を合わせれば、軽く話をする間柄になっていった。

とはいえ、仕事があるので話し込むようなことはない。

カフェでお互いの姿を見つければ、なんとなく暗黙の了解のように近くの席に座る。そして挨拶がてらちょっとした会話を交わした後で、それぞれ自分の時間に没頭するのだ。

その日も朱音の隣に座った透は、パソコンを開きながら話しかけた。

「さすがに暑さのピークは超えた感じがしますね」
「そうねぇ。まだまだ暑いけど」

最近ではカフェ以外の場所ですれ違っても、立ち止まって世間話をすることもある。

だが、透はもどかしさを感じていた。いつも世間話止まりで、それ以上の話は出来ていないのだ。

自分のことを“おばさん”と言っていた朱音だが、結局何歳で、結婚しているのかも分かっていない。

透は、思い切ってジャブを打ってみることにした。

「在宅勤務で1人暮らしだと話し相手もいないし、寂しくなりません?」

朱音は「えっ?」と反応した後で、透を見つめる。そして逡巡し、「分かるわ」と頷いた。どうやら彼女も、一人暮らしということで間違いなさそうだ。

−よし、今しかない。

透は、高ぶる気持ちを悟られないよう努めながら、こう言った。

「今度、食事にでも行きませんか」

すると朱音は、困ったような表情を浮かべ、透も予想していなかったことを口にしたのだ。

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