
スマホの中の私:「これだけじゃ満足できないから…」強欲な25歳OLが隠している“夜の顔”とは
「結花ちゃん今日もかわいいなあ。会議で会うときにはずっと見てるからね」
―なに、これ?会議ってどういうこと…?
結花は一瞬、なにかの間違いかと思い、コメントをスルーした。
しかし数分後、また同じアイコンの視聴者からコメントが届いたのだ。
「無視しないでよ。結花ちゃんが俺に気付いてるの、分かってるんだからね」
―えっ、怖っ。
その一文を見て、結花は自分の背筋が凍るような感覚をおぼえ、軽くパニックに陥った。
結花はこのライブ配信を、仕事関係の人にはもちろん、リアルな友人や知り合いには誰にも教えていなかった。この活動では下の名前も明かしていない。
結花は次第に頭が混乱し、冷や汗が止まらなくなってくる。
―このライブ配信は、誰にも見られてないと思ってたのに。
加工をしているとはいえ、顔出しをしている以上、いつかは誰かにバレてしまうと分かってはいた。
しかし心のどこかで「まだ大丈夫だろう」と高を括っていたのだ。
それに結花は、カメラに向ける笑顔の裏側で、いつも不安や羞恥心と戦っていた。
それは25歳という年齢でネットアイドルをしていることも、客観的に見たら痛々しいのではないかと後ろめたい気持ちがあったから。
気分が悪くなった結花は、まだ途中だったがライブ配信を切り上げることにした。
「まだ早いけど、今日はちょっとやらなきゃいけないことがあるから、これで終わりにするね。バイバーイ」
終了ボタンをタップすると深呼吸をし、スマホをベッドの上に伏せる。
“今この瞬間は、誰も自分のことを見ていない”という状況になると、結花は少しだけ安堵した。
―あんなコメントをしたの、誰だったんだろう。
コメントには「会議で会うとき」と書いてあったが、結花の本名を知っていて、尚且つ仕事の会議で顔を合わせる人物となると、その数は限られている。
―同じ会社の人か、取引先だったら広告代理店の担当者か、それともブランドのプレス?
結花は思い当たる人々の顔を、順に思い浮かべてみる。しかし、わざわざこんなところにコメントを残すような人は思い当たらない。
結花の中には次第に、あのコメントが誰のものか突き止めたいという気持ちが芽生えていた。
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身バレを気にしながら、平静を装って通勤する結花だったが…?
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この記事へのコメント
「ネットアイドルをしただけなのに」
近日公開