彼女のウラ世界 Vol.3

「インスタチェックしてるなんて気持ち悪い」悲劇に酔う男に突き付けられた、女の本音

「僕は、彼女のことを何も知らなかった…」

プロポーズした直後、忽然と姿を消した彼女。捜索の手掛かりは、本人のものだと思われるインスタグラムのアカウントだけ。

―彼女が見せていたのは、偽りの姿だった?

インスタグラムに残されていた、慎ましやかな彼女の姿からは想像もできない世界とは…。

◆これまでのあらすじ

2019年4月。プロポーズの数日後、前触れもなく消えた敏郎の恋人・明子

敏郎は彼女の居場所を探るべく、明子の行きつけの店を訪れる。するとその店で、彼女の驚くべき過去を聞いてしまうのだった。


「おっそいー!」

厚切り牛タンを焼きながらジョッキビールを手に微笑む女の姿に、敏郎は唖然とした。

―ずいぶん印象が変わったな。

それはいい意味、悪い意味の両方である。

彼女の名は山手香澄。敏郎より3つ年下のフリーランスのエディター兼ライターだ。

薄暗い照明でもはっきりとわかる明るい髪色に、大柄のトップスを着こなしている彼女は、店内でとても目立っていた。

香澄は、敏郎が久々に投稿したインスタにコメントをくれた女性だ。何度かのダイレクトメールでのやり取りの後、焼肉を食べに行こうという話になった。

敏郎と香澄の出会いは5年前。イベントプランナーをしている敏郎の友人が、南青山のクラブで開催したクリスマスパーティーでのことだった。

女性のほとんどがきらめきをまとったドレススタイルで参加している中、場違いなグレーのパンツスーツで現れたその女に、敏郎は逆に興味を持って話しかけたのだ。

ふたりが会ったのはそれ以来。しかし、Facebookでは惰性でつながっていたため、互いに近況は何となく知っていた。

【彼女のウラ世界】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo