2020.04.21
SPECIAL TALK Vol.672020年のニューリーダーたちに告ぐ
「ビジュアル系女子ゴルファーの元祖」とも評される古閑美保氏。ほかのプレイヤーなら勝負を諦めるような状況から、逆転で勝利をもぎ取る強さも人気を支えた。
2008年には、最終戦最終日に、当時の“絶対王者”を下す奇跡の大逆転劇を演じ、同時に賞金女王の座も手にする。「負けたくない」「一番になりたい」という一念で走り続けたものの、故障を原因に2011年、ツアーからの撤退を表明した。
厳しい世界で成果を残した古閑氏は、いったいどれだけの努力を積み重ねてきたのか。逆転勝利を可能にしたのは何だったのか。
そして一線を退いた今、何を思うのか。プロの世界を生き抜くために必要なマインドから、これからの夢まで、古閑氏が大いに語る。
古閑美保氏 10歳からゴルフを始め、坂田信弘氏が主宰するTKU 熊本ジュニアゴルフ塾の1期生として入塾。ジュニア時代から日本ジュニアゴルフ選手権、世界ジュニア選手権に優勝するなど好成績を収める。2001年1月より元・日本女子プロゴルフ協会会長の清元登子に師事し、同年9月にプロテスト一発合格。2008年は最終戦最終日に大逆転優勝するとともに賞金女王に輝いた。2011年シーズン終了と同時にトーナメントプロを引退。その後はトーナメント解説や講演会、トークショー、イベント出演などゴルフの魅力を伝える分野で活躍を続けている。
金丸:今回はプロゴルファーの古閑美保さんにお越しいただきました。お忙しいところ、お時間をいただき、ありがとうございます。
古閑:実は今、ゆったりと自由を謳歌していまして(笑)。お招きいただき光栄です。ありがとうございます。
金丸:お話を伺う舞台は、西麻布の『マーディガン』です。店内の雰囲気とは裏腹に和食を出す意外性、店舗情報は一切非公開の紹介制ということも相まって、話題沸騰中のお店です。
古閑:食事もすごく楽しみで、ワクワクしています。
金丸:古閑さんに最初にお会いしたのは2009年、沖縄のゴルフ場でしたね。フューチャーアーキテクトがスポンサー契約を結んだあと、私たちが5、6人で座っていたら、古閑さんがやってきた。でもチラ見して通り過ぎてしまって、しばらくして戻ってきたと思ったら、「金丸会長ってどなたですか?」って。
古閑:金丸さんが若く見えて、「会長っぽい人、どこにもいないなあ」と思って(笑)。
金丸:お褒めいただき光栄です(笑)。
古閑:でも10年前と比べても、若い社長が随分増えましたよね。私は最近、UUUM株式会社ともお付き合いがあって、YouTubeにゴルフ動画を出しているんですが、UUUMの社長さんは私より年下です。
金丸:若い起業家が増えるのは素晴らしいことですよ。さて、古閑さんは2008年に賞金女王に輝くも、2011年にトーナメントプロを引退されています。プロスポーツは相当厳しい世界ですが、活躍にいたるまでの苦労だけでなく、一線を退いた今、何を考え、これから何を成そうとしているのか、じっくり伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
上級生も圧倒される運動神経抜群の野球少女
金丸:古閑さんは熊本市のお生まれですね。小さい頃はお父様からゴルフではなく、野球を教えられたと聞いています。
古閑:そうです。『野球狂の詩』という漫画に、水原勇気という女性初のプロ野球選手が出てきますが、父は私を現実世界の水原勇気にしたかったんです。「美保が女子で初めてプロ野球選手になって、日本のプロ野球界を変えるんだ」って。
金丸:とてつもなく大きなミッションですね。
古閑:子どもって大好きなパパにそう言われると、「そうなんだ」って思い込むものじゃないですか。しかも男子が投げる球を平気で打てていたし、「パパの言うとおりにしとけば間違いない」と信じて、ますます努力して。もとは右利きですが、左打ちを完全に身につけました。
金丸:いつ頃から野球を始めたんですか?
古閑:3歳です。
金丸:本当に英才教育ですね!
古閑:軽いプラスチックのバットから始めて、5歳のときにはろうそくの火をスイングで消すという練習もしていました。
金丸:完全にスポ根の世界だ(笑)。
古閑:でも嫌だとは思わなかったし、むしろ大好きでしたね。野球は走ったり、打ったり、守ったりと、自分の能力を最大限に出せますから。
金丸:走るのも速かったんですか?
古閑:運動会では全部一等賞でした。私、何をやってもある程度できたんですよ(笑)。
金丸:運動神経が抜群だったんですね。野球の試合でも大活躍ですか?
古閑:小学5年生のときに、ソフトバンクやオリックスで活躍した馬原孝浩さんからホームランを打ちました。馬原さんは6年生でした。
金丸:それはすごい(笑)。ところで古閑さんはひとりっ子ですか?
古閑:いいえ、妹がいます。
金丸:もちろん、妹さんもスポーツができた?
古閑:それが姉妹で全然違うんですよ。妹はバレエはやっていましたが、野球はそもそもやりたいとも思わなかったみたいで。姉妹で、方向性が真逆なんです。
金丸:では、お父様は自分のエゴを押し付けたわけじゃなく、古閑さんが反応したからこそ熱心に教えた。つまり、互いに熱量があったんですね。
古閑:そうですね。私、父の帰りが遅いときは、「キャッチボールできない」って怒っていたらしいですから。とにかく体力が有り余っている子で、動きたくてしかたない。だからゴルフも最初は好きになれなかったんですよ。だって動けないじゃないですか(笑)。
金丸:ボールも止まっているものを打つし。
古閑:野球は練習もきついし、炎天下で打って走って守って、というのが当たり前。ゴルフだと日傘は差せるし、移動するのも歩くだけ、人が打ってるときはぼーっとしている(笑)。最初は、こんなのスポーツじゃないって思ったくらいです(笑)。
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