美女の憂鬱 Vol.7

「私のこと、好きだと思ってたのに…」“高飛車美女”の恥ずかしすぎる勘違い

街を歩けば思わず振り返ってしまう。だけど目が合えば、逸らしてしまいたくなる。

誰もが羨望の眼差しを向ける、美しい人。…しかし、美女には美女にしかない悩みがあるのだ。

「オトせない男はいない」と言われ続け、早29年の奈津子もそのひとり。

―誰も本当の私なんて知ろうともしない。

これは、そんな美女と美女に恋した二人の男の物語。

◆これまでのあらすじ

克弘と話す時間の楽しさを知った奈津子だったが、彼の“容姿”が気になるせいで、克弘からのアプローチには気づかないフリをしていた。そんな奈津子は、真人とのデートを控えていたのだが…?


―本当に、真人さんは告白してくれるのかな。

体のラインが綺麗に出る真っ白な半袖ニットに、淡いブルーのパンツ。足元は少し高めのピンヒールで女性らしく。

お気に入りのコーディネートに身を包んだ奈津子は、真人に指定された表参道のレストランへと軽やかな気持ちで向かっていた。

銀座線から地上へ出ると、この時期特有の柔らかい風が髪を揺らす。2019年4月下旬、ゴールデンウィークを目前に控えた土曜の午後は、例年に比べても暖かく感じた。

真人とデートをするのはこれで何度目になるだろうか。ちょっとした食事などを含めると、もう5回以上は出かけているはずだ。

しかし回数を重ねても、真人は奈津子との関係を縮めようとも遠ざけようともしない。真人と出会った日からずっと、一定の関係が続いている。

奈津子は恋愛的な好意を抱いているのに、肝心な真人の感情はまったくと言っていいほど読み取れないのだ。

「な、奈津子さん、こんにちは」

「…えっ?」

表参道のレストラン前で真人を待っていると、とある人物から不意に声をかけられた。

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