恋のアプリ Vol.10

アプリで出会った男女たちのその後とは…?「恋のアプリ」全話総集編

食事会より効率的で、紹介よりも気軽な出会いの手段。それは、「マッチングアプリ」だ。

インスタントな出会いと割り切るか、運命の人に出会える可能性を信じるか。全ては、使う人次第。

今日もこの東京のどこかで、出会いと別れが繰り返されているのだ。

お送りするのは、『東カレデート』を通じて知り合った男女のラブストーリー。

登場するのは、4人の男女たちだ。交錯していくそれぞれの想い。一体どんな結末が待っているのか…?

「恋のアプリ」一挙に全話おさらい!

第1話:「外見だけの美女に疲れた…」32歳経営者の男が見つけた、結婚までの近道とは

「仕事上、出会う女の子がそういうモデルちゃんばかりなのは仕方ないと思うけどさ、もう翔吾も32じゃん?そろそろ本気で結婚とか考えてもいいんじゃないの?」

言い返したい気持ちは山々だが、恭子の言う通りだと思う。僕は堪忍したように呟いた。

「だからこそ、既婚の恭子様に電話しているんです」
「あら。珍しく低姿勢。じゃあそんな翔吾君には、特別にいいことを教えてあげる」

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第2話:「私って、どのくらいのレベル?」デートを繰り返す27歳OLが、突然出会った謎の男

すれ違う幸せそうなカップルをつい睨んでしまいたくなったが、私はハッと気がついた。

「あ。17時過ぎてる。急がないと」

イルミネーションが点灯しているということは、時刻が17時を過ぎているということだ。美容皮膚科を17時ちょうどに予約しているのだ。頬の高い位置にあるシミが気になって以来、私は昨年から月一のペースで通っている。

早足でクリニックに向かい、ビルのエレベーターに乗り込む。そのとき、降りてきた男の人とぶつかりそうになった。

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第3話:「私、本命彼女じゃなかったの?」30歳の完璧美女が、男のバスルームで目撃したものとは

拓巳は、出会った時からずっと穏やかでとても優しい。だけど、最近その優しさや気遣いが妙に不自然で、違和感を感じている。

職場へ車で送り迎えもしてくれるし、取材や手術で相当疲れているはずの翌日に、自ら苦手なはずの料理をすると言い出し、どこから入手してきたのか、私が好きな日本酒・新政No.6のX-typeまで用意していた。

「ありがとう。じゃあ、お先に」

そう言ってバスルームに向かうと、嫌な予感がした。

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第4話:「あなたみたいな男に抱かれたくない」女には困らない美容外科医が、年上美女から捨てられた理由

「夏織は、もう1年近く一緒にいる特別な子だよ。綺麗で素直で料理も上手くて...」
「だけど、彼女ではないのね」

全てを見透かしているような眼差しに耐え切れず、僕は視線をグラスへ向けた。

「いや...あの子もそれを承知で僕のそばにいてくれていると思うんだ。情けない話だけど、僕はこの先誰とも結婚する気はないし、誰かと付き合うこともない」

「…本当情けない。そんなダサい男だったの?誰かを真剣に愛してフラれるのが怖いんでしょ。そんなこと言いながら、もし夏織ちゃんが離れていったら慌てるくせに」

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第5話:「君以外、他の女はもう要らない」。たった一晩のデートで男を夢中にさせた、30歳の女

スマホが鳴ったのは、シャワーを浴びて髪を乾かしているときだった。

「もしかして…」

「K」からの返信かもしれない。そう期待した僕は急いでスマホを手に取ったが、画面を見るなりすぐに落胆した。

『しょーちゃん、起きてる?』

先日別れたモデルの彼女からのLINEだ。予想外の人物からの連絡に困惑した次の瞬間、電話までかかってきて、うっかりタップしてしまった。

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第6話:同窓会でチヤホヤされるのは、地味だった女?かつて「一軍」だった27歳女の葛藤

“沙也香ちゃんは、今のままで可愛いよ”

立て続けにデートがうまくいかなくて完全に自信を失っていた私に、拓巳はそう言ってくれた。他人からしたら些細なことかれもしれない。だけど、ひどく落ち込んでいた私にとっては、何よりも嬉しい言葉だった。

けれど今朝になって、激しい自己嫌悪に苦しんでいた。

ー付き合う前に、寝てしまった…。

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第7話:女好きのドクターが、墓穴を掘った瞬間。男が女に言い訳しようとして放った失言とは?

「沙也香さん、今日は美容点滴ですね。月に2度の来院うれしいです。点滴は、前回は半年前か。お久しぶりですね。最近どうです?何いいことありました?」

たしかに沙也香の肌はファンデーションで綺麗に隠してはあるが、年末年始不規則な生活でもしたのか、いつもより荒れている気がした。

「それが、例のアプリでは苦戦していて、まだ絶賛活動中です!でも...気になる人ならできたんですよ。見ます?」

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第8話:「俺が彼女を変えてやりたい」。夜22時、モテ男が“垢抜けない女”を呼び出した理由

「あたしね、最近とても大事なものをなくしたの。それに気づいた時、取りに戻ろうとしたけどダメだった。絶対戻れるだろうって...甘かったわ。調子乗って甘えすぎてた」

ー男に振られたのか…。

話の内容ですぐ理解したものの、弱っている人気モデルを口説く元気すら、今の自分にはなかった。

「先生も、イケメンで美容外科医だとモテるでしょう?女に困ってません、って顔に書いてあるもんね。だけど、誰かを真剣に愛したこともないって顔もしてるんだよなぁ」

第8話の続きはこちら

第9話:男を虜にする女と、2度目のデートにすら誘われない女。徹底的なその違いとは?

僕の心は、一足先に春が来たような暖かさに包まれていた。

東カレデートを教えてくれた幼馴染の恭子にも、早速報告をした。付き合えたわけでもないのに気が早いと笑われたけれど、恭子はこんなことを言ってくれた。

『翔吾、今度は顔で選んでないんだ?姫じゃなくて妻にしたい人、見つかってよかった。約束どおり奢ってね』

恭子が送ってきた高級鮨店のURLに呆れていると、ちょうどそのタイミングで夏織からLINEが届いた。

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