恋のアプリ Vol.5

「君以外、他の女はもう要らない」。たった一晩のデートで男を夢中にさせた、30歳の女

食事会より効率的で、紹介よりも気軽な出会いの手段。それは、「マッチングアプリ」だ。

インスタントな出会いと割り切るか、運命の人に出会える可能性を信じるか。全ては、使う人次第。

今日もこの東京のどこかで、出会いと別れが繰り返されているのだ。

お送りするのは、『東カレデート』を通じて知り合った男女のラブストーリー。一体どんな結末が待っているのか…?

◆これまでのあらすじ

モデルの彼女と別れた後、マッチングアプリを始めた翔吾。最初に沙也香とデートするも気乗りせず、本命である「K」との約束を取り付けるが…。


『それでは、金曜日の19時にお会いしましょう。K』

僕はアプリのメッセージ画面を見つめながら、思わずニッコリと微笑んだ。

メッセージの相手「K」は、都内勤務の看護師だ。

ついに、彼女に会える。はじめて彼女の美しいプロフィール写真を見たときから、僕はこの日を心待ちにしてきたのだ。

『ショウゴさん。ありがとうございます!どこも美味しそうだけど、神楽坂のお店に惹かれますね』

金曜のお店候補リストを彼女に送ると、すぐ返事があった。

『了解!予約できたらまた連絡するね』

直近の予約で取れるか不安だったが、店に電話するとたまたまキャンセルが出たとかで、運よく席をおさえることができた。

ー僕も神楽坂な気分だったし、気が合うな。

銀座での会食の帰り、待機させていた車に乗り込み、コートを脱ぐ。

適当にシャッフルで流していたApple Musicも、テンションの上がる曲をセレクトする。こんなことではしゃいでいる自分が、なんだかおかしかった。

それだけではない。「K」とやり取りを始めてからは、他の会員が目に入らなくなり自分からはアクションを起こさなくなった。一度食事をした沙也香とも、メッセージのやり取りは途絶えている。

「K」と連絡を取るだけで、満たされていたからだ。

自分は器用に同時進行ができないタイプなのもあるが、「K」には特別な何かを感じていた。根拠は何もなく、“恋する乙女か!”と自分にツッコミを入れたくなるほどだが。

実際会ってみてもしも期待と違ったら、酷く落ち込むことは目に見えている。

だからできるだけ平静を保つようにしているが、今はとにかく週末がくるのが楽しみで仕方がないのだ。

『もしよかったら、LINEにしない?アプリだと通知オフにしてて返信が遅れちゃうから。あと、名前教えて欲しいな』

ーLINEを聞くのはちょっと早かったか...?

一瞬不安になったが、車の揺れに身をゆだね、目を閉じて「K」からのいい返事を期待することにした。

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