恋のアプリ Vol.4

「あなたみたいな男に抱かれたくない」女には困らない美容外科医が、年上美女から捨てられた理由

食事会より効率的で、紹介よりも気軽な出会いの手段。それは、「マッチングアプリ」だ。

インスタントな出会いと割り切るか、運命の人に出会える可能性を信じるか。全ては、使う人次第。

今日もこの東京のどこかで、出会いと別れが繰り返されているのだ。

お送りするのは、『東カレデート』を通じて知り合った男女のラブストーリー。一体どんな結末が待っているのか…?

◆これまでのあらすじ

拓巳が他の女を家に入れていたことが判明し、気持ちが冷めていく夏織。恋人だと信じていたのは自分だけだと気付き、沙也香と同じマッチングアプリを使って他の人とデートすることを決める。

拓巳は一体、何を考えているのか…?


「拓ちゃん、遅かったわね。もう2杯目頼んじゃった」

店に着くと、女医の西田めぐみは僕の了承を得ず、自分が飲んでいるグラスシャンパンと同じものを店員に注文した。

そして「たまには糖質気にせず付き合いなさい」と言ってニッコリ微笑む。

「めぐみさん...夏織がいい子なのは君もよく知っているよね?傷つけたくないんだ、平和にやろうよ」

そう呟きながら横に座り、お腹がすいたので何かつまもうとメニューを手に取った。

「何のこと?あなたの家にお邪魔した時のことかしら。別にどこも荒らしてないけど」

めぐみが何食わぬ顔で答えるので、僕は呆れて彼女を見つめる。

シャンプーのボトルの位置が変わっていたことが原因で、夏織にめぐみの存在がばれそうになったのだ。僕は、めぐみを迂闊に家に招いたことを悔いていた。

夏織の機嫌をとるため職場にお菓子を差し入れた後で、僕はめぐみに呼び出され、こうして『マデュロ』に来ている。

「そうか、じゃあ僕の勘違いかな。その感じだと仲間内で、君は酔ったら誰にでも女の顔をするって噂されているのも特段気にしてない様子だね」

そう言って、ぐいっと体を抱き寄せる。

めぐみのグラスが傾いて、シャンパンが軽く溢れた。彼女の小ぶりの赤いバーキンにかかりそうになったが、酔っているのかその視線は僕から離れない。

「はぁ?そんなわけないでしょ。私だってちゃんと選んでます。まあ、拓ちゃんのことは体目当てだったけど」

「別に、めぐみさんのために鍛えてるわけじゃないんで」

ぶっきらぼうに答えて体を離すと、冷えたシャンパンを一気に飲み干す。

めぐみは、夏織が勤めるクリニックの院長だ。

彼女とは、クリニックが改装された時に招かれた内覧会で出会った。医療美容業界の医師同士、話が弾み、食事に誘った日に関係を持ったのだ。

それから夏織には内緒で、こうやって時々会っている。

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