御三家ウォーズ Vol.8

エリート校合格には、妻の「究極の献身」が必要か?限界まで追い詰められていく女たち

御三家。それは、首都圏中学受験界に燦然と輝く、究極の伝統エリート校を指す。

男子は開成・麻布・武蔵。女子は桜蔭・女子学院・雙葉。

挑戦者を待ち受けるのは「親の力が9割」とも言われるデス・ゲーム。

運命の2月1日、「真の勝者」は誰だー。

◆これまでのあらすじ

深田 彩は、夫の真一と息子の翔と、南麻布で暮らしている。

ある日、翔が男子御三家・麻布中学校に入りたいと言いだした。叔母の祐希からは御三家受験は彩には無理だと言われつつも、翔に並走すること1年弱

最強スペック母・薫子には「麻布に合格する可能性はある」と言われ、ほどなくして選抜クラスに入った翔。しかし友人の瑠奈から、「翔のカンニングを塾に通告する」とLINEがきて―。


彩は、スマホ画面を見つめながら混乱していた。

友人・瑠奈からのLINEには、「翔がカンニングをして選抜に入った」と書いてある。翔に気づかれないようにリビングをそっと出た。

寝室に移動し、スマホから塾のアカウントにアクセスする。前回試験の解答用紙はスキャンされており、いつでもオンラインで見ることができるのだ。

―試験の解答用紙を見直しても、不自然にできていると思う問題はない。苦手なところは解けてないし…。

全てを一緒に勉強してきた彩だからこそ、確信があった。翔は、カンニングなんて絶対にしていない。

翔のテストを見る限り、彼が解けるべくして解ける問題で得点し、歯が立たない問題はやはり落としているのだ。

彩はリビングに戻ると、さりげなく寝室に夫の真一を手招きし、LINEを見せる。

事情を聞いて最初は驚いていた真一も、彩の見解を伝えると大きくうなずいた。

「俺は、よく友達の宿題でもテストでも写してたけどなあ。翔は目標があるんだ、このタイミングでするほどバカじゃないと思う。

追い詰められてやってしまう子もいるかもしれないけど…。今、翔は知識を入れなきゃ始まらないし、上り調子なんだ。そういうメンタルじゃないな」

「そうだよね。私もそう思う。やっぱり瑠奈に状況を確認してみる必要があるよね…。その前に本人にも聞いたほうがいいね」

彩はリビングに戻り、ココアのお替りをダイニングに置きながら、勉強している翔に話しかけた。

「翔…。最近塾で何か変わったことはなかった?…ママに話しておくこと、ない?」

すると翔は、何事かというように顔を上げた。やがてバツの悪そうな表情が浮かび、続いた言葉は衝撃的なものだった。

「ああ…カンニングのこと?」

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