御三家ウォーズ Vol.5

「以前は、素敵な夫婦だったのに…」3年間で、子どもが怯えるほど豹変してしまった夫婦

御三家。それは、首都圏中学受験界に燦然と輝く、究極の伝統エリート校を指す。

男子は開成・麻布・武蔵。女子は桜蔭・女子学院・雙葉。

挑戦者を待ち受けるのは、「親の力が9割」とも言われるデス・ゲーム。

運命の2月1日、「真の勝者」は誰だー。

◆これまでのあらすじ

深田 彩は、夫の真一と息子の翔と3人、南麻布で暮らしている。

ある日、翔が、男子御三家の一角・麻布中学校に入りたいと言いだした。

叔母で元大手有名塾の講師・岬 祐希からは中学御三家受験は彩には無理だと言われてしまう。

辛うじて、有名塾の一番下のクラスに合格した翔。生半可な気持ちでは挑戦できないと悟った彩は、ついに覚悟を決めた


「そんなわけで祐希ちゃん。私、勉強始めたの。だけど、何度解説を読んでも解けない問題があって…」

彩は、Skypeで叔母の祐希に話しかけていた。

「例えばこれ、場合の数。ちょっとだけ教えてもらえないかな?」

教科書とノートを広げてカメラに映すと、PCの向こうで、祐希がいかにも面倒くさそうに顔をしかめる。

「LINE読んで、まさかと思ったけど…彩、本気で4科目4年生から勉強してるの?受験自体は覚悟があるなら私が口出すことじゃないけど。

彩が今から麻布レベルになるまで勉強するのは、はっきり言って無謀よ。そもそも母親が必ずしも勉強内容を理解してなくても、他にサポートの方法はあるわよ」

彩は分かってるというように首を縦にふる。

「もちろん、私が麻布の問題なんか解けるようになるはずない。ポンコツ女子大、しかも指定校推薦だもん、祐希ちゃんだって知ってるでしょ」

祐希はウンウンと画面の向こうで深くうなずいている。自分で言っておいて多少もやっとしたが、彩は構わず続けた。

「でもせめて、中学受験生がどのくらいの分量とスピードで勉強してるのか理解しないと。そうでなくちゃ無防備すぎて、赤子が裸で戦場に転がってるようなもんだよ」

彩の言葉に、祐希は何か引っかかることがあるらしく、腕を組んで天井を見上げている。

「まあ、言ってることは立派だけど、はっきり言って焼石に水なんじゃない?…それに心配なことがあるの。彩には今まで話したことなかったけど、私の塾講師時代の話をしようか」

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