御三家ウォーズ Vol.4

「憎たらしい義両親と夫に、見せつけてやるの…」。罵られた美人妻が、逆襲を誓ったキッカケ

御三家。それは、首都圏中学受験界に燦然と輝く、究極の伝統エリート校を指す。

男子は開成・麻布・武蔵。女子は桜蔭・女子学院・雙葉。

挑戦者を待ち受けるのは、「親の力が9割」とも言われるデス・ゲーム。

子どもの頭脳、父の経済力、そして母の究極の献身が求められるこの戦場に、決して安易に踏み込むなかれ。

運命の2月1日、「真の勝者」は誰だー。

◆これまでのあらすじ

深田 彩は、夫・真一の事業が思わぬ成功を収め、小学5年生の息子の翔と3人で、南麻布で暮らしている。

ある日、翔が、男子御三家の一角・麻布中学校に入りたいと言いだした。

叔母で元大手有名塾の講師・岬 祐希からは苛烈を極める中学御三家受験は彩には無理だと言われてしまう。

翌日、有名塾を訪れた彩は、昔の友人・中野瑠奈と再会し、ともに最強スペック母の正田薫子の厳しい話を聞いたのだった。翔は辛うじて、一番下のクラスに合格するが―。


「じゃあ、気を付けてね。何かあったら電話してね」

「はーい!行ってきます!送ってくれてありがと!」

塾の初日。翔は、彩の心配をよそに、元気に塾の玄関をくぐっていった。

―一番下のクラスって聞いてすぐ諦めるかと思ったけど、なかなか図太いね、翔。

小さく手を振りながら、彩は、入塾試験の結果が来たときのことを思い出す。

何も準備をしていなかったから当然とは言え、20近いクラスの中で最下位。

翔はこれまで、学校のテストは100点が多かった。

彩の子供にしては上出来だ。その翔が手ごたえがあったというからには、もしかして塾では真ん中あたりかも、と思った自分はやっぱり親バカだった。

結果が来てから1週間のうちに、必死で集めた中学受験全般、麻布や塾の資料を、夫の真一と翔に見せた。そしてできるだけ細かく共有した。

都心での、中学受験の狂気的な過熱ぶり。厳しい塾内の競争。実際に受験生になったら始まるであろう生活。麻布という学校のレベルと、そこに入るために予想される勉強量…。

すると二人は、興味深そうに彩の話を聞いたり資料を読んだりしたあと、予想外の反応を見せたのだ。

「そんなすごい学校だから、あんなに将棋も強いし文化祭も盛り上がってるんだね。やっぱり普通の学校じゃなかったかー」

すでに将棋部で麻布生のすごさを体感しているせいか、翔は彩の話にそれほど驚くことはなかったようだ。そして、こう言った。

「僕さ、やってみたい。あと1年半しかないから難しいって祐希ちゃんも言ってたんだよね?じゃあダメ元っていうの?かえって気楽だよ、だって誰も俺がそんなすごい学校受かるなんて思ってないもん」

彩は思わずのけぞった。

―その発想はなかったー!じゃあ挑戦するってこと?中学受験に?

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