2019.11.21
SPECIAL TALK Vol.62目立たない子どもだが「一歩はみ出してみたかった」
金丸:お生まれはどちらでしょう?
吉田:福岡県の北九州市です。
金丸:周りにデザインや絵が得意な方がいらしたんですか?
吉田:それが、誰もいないんですよ。親戚一同、建築家もデザイナーもいません(笑)。芸術っぽいことといえば、4歳から始めた書道くらい。家族みんなでやっていました。あとは8歳から剣道を。
金丸:書道を家族みんなで?
吉田:はい、我が家は日曜日に家族で過ごす時間があったんです。みんなで洋間に集まって、2〜3時間好きなことをするという決まりで。だから書道をやってもいいし、手芸をしてもいいし、とにかく家族でクリエイティブなことをする時間でした。
金丸:それは楽しそうですね。剣道もされていたとのことですが、吉田さんは背も高いし、足も速そうです。
吉田:走るのと球技は大の苦手で。だから体育よりも美術のほうが好きでした。でも、それを仕事にしようという感覚はなかったですね。
金丸:学校では、目立つほうでしたか?
吉田:いえ、目立ってはいなかったし、あまり目立ちたいという思いもなくて。でも目立つんだったら、普通の人と違う目立ち方をしたい、というのは昔からあったかもしれませんね。
金丸:では周りの流行には影響されないタイプ?
吉田:流されなかったです。むしろ、逆行していました(笑)。たとえばピンクの自転車が人気だったら、ブルーの自転車が欲しいというような。
金丸:天の邪鬼タイプだ(笑)。
吉田:だから、みんなが一列に並んでいるのを見ると、「一歩だけはみ出してみたいな」と思ったり。
金丸:日本に生まれながら、日本ではなくアメリカで成功しているわけですから、実際には何歩もはみ出していますよね。美術を仕事にとは思っていなかったそうですが、子どもの頃は何になりたかったのですか?
吉田:医療系の仕事をしたいと思っていました。母方の祖父がガンになり、祖母が認知症になったのがきっかけで。そう思ったのは、正義感とか使命感があったからなのかもしれません。
金丸:今とはまったく違う方向を見ていたんですね。それなのに、なぜアメリカに?
吉田:それは、大学受験に失敗したからです。予備校に通ったんですが、そこの英語の先生の授業が本当に面白くて。その先生は日本人なんですが、奥様がフランス人で、すごくグローバルな視点を持った方でした。
金丸:その先生の影響で、海外を見てみたくなった?
吉田:そうです。これまで地方都市の狭い世界で生きてきた私にとって、その先生は初めて接する“海外の人”というか、先生のお話にすごく引き寄せられて、「私も外にはみ出してみよう」と思ったんです。
突然のアメリカ留学。言葉がだめなら絵で伝える
金丸:しかし、浪人生の身分だと、すぐさま海外というわけにもいかないですよね。
吉田:いえ、すぐに行動しました(笑)。私はやると決めたら、絶対に行動に移すタイプなので。
金丸:思い立ったら即行動なんですね。でも実際のところ、どうやって海外に?
吉田:試験に合格すれば親も「ノー」とは言えないだろうと思い、留学するとは言わないまま、TOEFLの勉強をがむしゃらにしました。よい点数を取れば、海外の大学が受験できるので。
金丸:とはいえ、どこかの段階でバレますよね。ご両親の反応はどうでした?
吉田:父は3ヶ月ほど口をきいてくれませんでした。
金丸:すごく怒っちゃった(笑)。
吉田:でも「この子は一度言い出したら絶対に譲らないから」と、父のほうが先に折れて。
金丸:そういう性格なのは、お父様もわかっていたんですね。
吉田:剣道も自分の意志ではなく、たまたま近所に剣道場があったから始めたんですが、でもやり始めたら試合で勝ちたいし、大会に出るなら優勝したい。結構、負けん気が強いんです。
金丸:留学先をアメリカにしたのは、何か理由があるんですか?
吉田:テレビの報道番組で聞くような、くせのないアメリカ英語がいいなと思ったので。
金丸:大学はどちらに?
吉田:ミネソタ州のワーリントンという、本当に田舎の小さな町にある短大です。
金丸:意外ですね。ニューヨークのような大都市ではなく?
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