2019.11.13
冬は、鍋があるから許す Vol.17
寒さ増すこの季節は、ほっこり体を温めてくれる“おでん”が最高!
透き通った美しい出汁の美味しさが際立つ昭和61年創業の銀座の名店『おぐ羅』の魅力をたっぷりお伝えしよう。
琥珀色の透き通った美しすぎる出汁が絶品!
銀座6丁目のビル地下1階に位置する『おぐ羅』。銀座の名店『やす幸』で24年間修業を積んだ店主・小倉氏が独立し、昭和61年(1986)に開業したのが同店である。
暖簾をくぐるとすぐ目に飛び込むのが、アツアツのおでんから立ちのぼる湯気。寒さで冷えた体もこの食欲そそる光景を見れば、ほんのり和らいでしまうのだから不思議だ。
同店のおでんの特徴は出汁にある。
一般的に、関東では出汁に濃口醤油を加え、みりんや酒で味を整えることが多く、関西では出汁に薄口醤油を加え、塩で味を整えることが多い。しかし『おぐ羅』の出汁は、そのどちらとも異なるのだ。
利尻昆布と枕崎の鰹節から丁寧にとった出汁に加える調味料は塩、酒、みりんのみ。醤油は一切使用せず、開業当時から30年以上少しずつ継ぎ足しながら守り抜いた『おぐ羅』でしか味わえない究極の出汁なのだ。
輝く琥珀色の出汁は、まさに旨みの宝庫。口に運べば、豊かな出汁の香りと共に、優しい甘みも感じられる。おでんが運ばれてきたら、まずはひと口出汁を味わって欲しい。
もちろんネタも一つ一つ手作り。おでんネタの代表格とも言える「大根」もただ皮をむいて、鍋に入れている訳ではない。
少し厚めに皮をむき、丁寧に面取りを施した後、一度大根だけを水で炊く。それを1日寝かせてから、出汁で炊きあげることで、食べた時のほろりとほどけるような優しい食感と、大根からジュワッと溢れ出す出汁の旨みが生み出されるのである。
また、同店ならではのネタとして人気なのが「鴨ごぼう」。なかをくりぬいたごぼうに、合鴨のたたきを入れた後、一度蒸し上げてから出汁の中へ。この蒸しの工程がごぼうを柔らかく仕上げるポイント。出汁と鴨肉の旨みが噛むほどに溢れ出す極上の一品だ。
「きゃべつ巻き」もおすすめの一品。鶏ひき肉は、出汁にアクがでないよう、キャベツで巻く前に一度茹でて、鶏団子に。幾重にも重なったキャベツから溢れ出す甘みと旨みを楽しんで欲しい。
常時30種が揃うおでん種は、訪れるほどに『おぐ羅』ならではの美味しさを楽しませてくれる一品ばかり。
「餅巾着」は、油揚げの中に餅と共に三つ葉が入れられているのが特徴。「巾着の中でお雑煮を作るイメージ」と大将は語る。
他にも、しらたきとにんじん、椎茸を細かく刻んで油揚げで包んだ「しらたき袋」や、鯵を使って作られる柚子の香りが爽やかな「鯵のつみれ」、「小松菜ゆば巻き」など、お酒のお供に最適の品々が揃っている。
おでんの他にも、一品料理が充実しているのも『おぐ羅』の魅力である。
なかでもおすすめは「かつおの叩き」。刻んだ葱、ミョウガ、大葉とポン酢で仕上げる薬味をたっぷりと盛るのが特徴の一皿。
かつおとたっぷりの薬味を一緒に口に頬張った時の美味しさは堪らなく、お酒の進む味わいだ。
実は「かつおの叩き」は一品で二度美味しいお得な一品!かつおを食べ終わった後に残る薬味の中におでんの「豆腐」を入れて味わうと、これがまた堪らなく旨いのだ。
かつおの旨みがプラスされた最強の薬味が、出汁をたっぷり含んだ豆腐と合わさるのだから美味しくないはずがない。
かつおを食べ終わった頃、スタッフから「お豆腐どうですか?」と声をかけられたら、迷わず注文してみて欲しい。
とろみを加えた出汁をかけ、煎り胡麻を振って仕上げる「しらす茗荷和え」もお酒のお供に最適の一品。
丁寧に水にさらした茗荷はシャキッとした食感が心地よく、箸が止まらなくさせてくれる。
揚げ物が欲しくなったら「鯵フライ」はいかがだろう。
刺身用の新鮮な鯵を使用しており、ふっくらとした身の柔らかさを楽しめる。サッとレモンと搾って、ソースをかけて召し上がれ。
〆に注文したいのが「茶飯」。昆布と鰹で仕上げるおでん出汁で炊いたご飯に、出汁をかけてサラッと味わう一杯は、食事の締めくくりに最適。
御飯は季節によって松茸御飯に変更されることもあるというのも嬉しい。
他に「玉子かけ御飯」も用意されており、最後に味わう今晩の締めくくりの一杯を選ぶのも楽しいひと時だ。
これから寒さが増す季節。温かなおでんを楽しみたいなら銀座で30年以上愛され続ける名店『おぐ羅』を訪れて、さまざまな一品料理と共に温かな“おでん”を味わってみてはいかがだろう。
※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。
この記事で紹介したお店
おぐ羅
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