夫の反乱 Vol.9

妻を誘っても「疲れてる」と拒絶され続け…。ガマンの限界に達し、夫がとった行動とは

自分を振り返る時


その日の晩も、めぐみは弘樹の看病をするわけでもなく、予定通り友人との食事に出かけた。

彼女にとってこの家は、インフルエンザA型に感染した人間のいる空間。むしろ外出している方が安全という認識なのだろう。

寝室に入ってくる時にはマスクをして、弘樹に話しかけるのは最低限の言葉のみ。

「レトルトのおかゆ買っておいたから」「栄養ドリンク置いておく」

これだけ言うと、「体調はどう?」とか「熱は下がった?」といった気遣う言葉も無く、すぐさま出て行く。

リビングでは、1時間に1回は換気して、部屋ではモクモクと加湿器をたいている。

めぐみがシャワーを浴びている間にそっとリビングを覗くと、机にはマスクや手ピカジェル、うがい薬と沖縄のガイドブックが置かれていた。

−気持ちは分かるけどさ…。少しくらいは心配してくれても。

弘樹は、インフルエンザとは違う頭の痛みをズキンと感じた。


−こんなに寝たの、久しぶりだな…。

翌朝。

かれこれ18時間くらい寝ただろうか。薬のおかげもあってか、昨日より体調は随分マシになった。

普段、仕事に接待と毎日忙しく、睡眠時間が平均5時間の弘樹にとっては、こんなに眠るのは学生以来と言っていいほど久しぶりだ。

薬......


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