今さら聞けないワインの基礎知識 Vol.28

「オーパスワン」にセカンドラベルがあるのって知ってる?賢いワイン選び、教えます

――美味しさまで4分の1ですか?

柳「下手なボルドーの格付けワインよりずっと上等だよ。むしろ若いうちなら、シャトー・マルゴーよりパヴィヨン・ルージュのほうが美味しく感じられるかも。

しかも2009年以降は、サードラベルの「マルゴー・デュ・シャトー・マルゴー」まで造られるようになったので、セカンドラベルの質が底上げされている。」

――あっ、オーパス・ワンの「オヴァーチュア」! ひょっとしてあれもセカンドラベルですか?

まだまだある!知ってるとお得なセカンドラベル


柳「オヴァーチュアを知ってるなんて、クラリンすごいね。そのとおり! 以前はワイナリーだけで買えたのに、最近は市場にも出回るようになったみたい。

カリフォルニアだと、スクリーミング・イーグルの「セカンド・フライト」改め「ザ・フライト」とか、ハーラン・エステイトの「ザ・メイデン」とかが有名なワインのセカンドラベルだね。」

――イタリアにもありますか?


柳「サッシカイアの「グイダルベルト」、それにトスカーナのペトリュスと言われるマッセートから、新たにセカンドラベルが登場するらしい。その名も「マッセティーノ」だ。」

――セカンドラベルはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなど、フランス以外の国でもボルドータイプのワインに多いんですね?

柳「いいところに気がついたね。ところがブルゴーニュのピノ・ノワールにもいくつかあるよ。

コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエの「シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ」は、特級「ミュジニー」の若木とふたつの一級畑のブドウをブレンドしたワインだし、「ラ・フォルジュ・ド・タール」は特級「クロ・ド・タール」の若木から造られたセカンドラベルだね。」

――もう覚えきれませーん。

柳「では最後に、今一番注目の日本ワインから一本。シャトー・メルシャンが勝沼の自社管理畑「城の平ヴィンヤード」のブドウから造るワインに「城の平 オルトゥス」がある。

そのセカンドラベルがシンプルなネーミングの「城の平」だ。まっ、この場合は「城の平」のプレミアム品が、「城の平 オルトゥス」というべきかもしれないけど。」

――ふむ、オルトゥスはラルフ・ローレンでいうパープル・レーベル?

柳「クラリンにはファッションに変換すると分かりやすいんだね……。」

たとえば、こんな1本
「シャトー・メルシャン 城の平 2013」

山梨県の勝沼にある「城の平ヴィンヤード」は、シャトー・メルシャンが初めて垣根栽培に挑戦した自社管理畑。そこで収穫されるカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローをブレンドしたのが「城の平」だ。この上に「城の平 オルトゥス」があるが、十分なストラクチャー。

¥8,000/メルシャンお客様相談室 TEL:0120-676-757


教えてくれたのは、柳 忠之さん

■プロフィール
世界中のワイン産地を東奔西走する、フリーのワインジャーナリスト。迷えるビギナーの質問に、ワインの達人が親身になって答える。

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この記事へのコメント

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匿名
セカンドラインで、十分です😊💕
2019/10/19 07:202
エンジニア女子
柳さんとクラリンのやり取り、結構好きです。
2019/10/19 10:061
No Name
やっちゃいけないのが、オーパスワンとオーヴァーチャーの飲み比べ…オーパスワンの圧倒的な美味しさに気付く羽目に。でも、高嶺の華、過ぎです…😔
2019/10/19 13:150

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