2019.10.15
わたし、9時に出社します。 Vol.22019年。
「令和」という新しい時代を迎えたが、これまでの慣習や価値観がアップデートされる訳ではない。
このお話は、令和を迎えた今年に保険会社に総合職として入社した、桜田楓の『社会人観察日記』。
1996年生まれ、生まれたときからインターネットが当たり前にある「Z世代」の彼女が経験する、様々な価値観を持った世代との出会いとは…?
◆これまでのあらすじ
30代の先輩社員に「30分前出社は当たり前」と諭された楓。そして今週はさらに衝撃的な場面に遭遇して…?
うだるように暑い毎日が続く、7月。
楓が、丸の内に本社を構える保険会社に入社して3カ月が経過した。
まだまだ不慣れなこともある中、楓は日々の業務にあたっていた。隣の席から、OJT担当者である瀧本が話しかけてくる。
「桜田さん、資料確認したけど、、ホッチキスの止める向きも知らないの?」
OJT担当である、瀧本がため息交じりに言った。
「え…?」
まさか「ホッチキスの止め方」を指摘されると思っていなかったので、戸惑いを隠せずに聞き返す。
「ホッチキスよ。流石に止める位置を間違えるなんてことはないから安心したけど、止める向きよ。平行に止めるの。こういうところ気にしなきゃだめよ?社会人なんだから。」
待ってましたとばかりに、瀧本は楓に指導する。
「はぁ…。あの、印刷をかける際にホッチキスも自動で止めるようにしたので…。コピー機の設定かと思います。」
この返答に、瀧本は面食らった表情をしながらも答えた。
「とっ、とにかく、止める向きも資料作成の際のビジネスマナーとして覚えておきなさいっ」
そう言い残し、席を立ってそそくさとどこかに行ってしまった。
1人取り残された楓は、その場で「ホッチキス 止め方」と検索をかけてみる。
すると横書きだと左上で、縦書きだと右上だという、「止める位置」のマナーは出てくるものの、「止める向き」に関するマナーに言及しているものは見当たらなかったのである。
―ページがめくりにくくなってしまうから、止める位置の決まりは分かるけれど、行と平行になんて何の合理性があるわけ?
楓は冷静に考えたが、意味のないローカルルールにしか思えなかった。
世の中がハラスメントに対して、ものすごくアレルギー反応を示してますから。
岩田自身、自分が発する言葉が、笑うに笑えない、他人を傷つけることになる言葉だと気がついていない時点で、存在自体がハラスメントになるかも。
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