女たちの選択~その後の人生~ Vol.8

「お前は、何もできないから黙ってろ」夫から奴隷のような扱いを受けても別れない30代妻

−“女”の幸せとは、結婚し、子どもを産み育てることである。

そんな固定概念は、とうの昔に薄れ始めた。

女たちは社会進出によって力をつけ、経済的にも精神的にも、男に頼らなくてもいい人生を送れるようになったのだ。

しかし人生の選択肢が増えるのは、果たして幸せなことだろうか。

選択に結果には常に自己責任が伴い、実際は、その重みで歪む女は少なくない。

この連載では様々な女たちの、その選択の“結果”をご紹介する。前回は、地方に嫁いだ東京女・沙耶を紹介した。

今回は「うちの夫、モラハラなのかも」と嘆く久美子(34歳)のお話。


File:8 夫から奴隷扱いされる女


名前:久美子(仮名)
年齢:34歳
職業:専業主婦


暑さも少し和らぎ、穏やかな風の吹く心地よい朝。都内某所にあるカフェに、華奢で小柄な女性が現れた。

彼女の名は久美子。都内在住の34歳・専業主婦で、小学生の娘がいる。

結婚前は、都内の女子大を卒業後し某飲料メーカーで営業をしていたらしいが、しかし勤めたのは2年弱。

「24歳のときに10歳年上の夫と結婚し、寿退社しました。幸い、そのあとすぐ子宝に恵まれて…」

それからは育児に奔走する日々を過ごしたが、3年前に娘が小学校に通い始めてからは、平日昼間に少しばかり時間に余裕ができている。

しかし「妻には家にいてほしい」という夫の希望で、今なお専業主婦を続けているのだと彼女は語った。

「自分が話をしたい時、すぐに私と連絡がつかないと嫌みたいで。夫は父親から受け継いだ不動産会社を経営しているのですが、仕事中もしょっちゅう私に電話をかけてきます。もしかしたら、私がちゃんと家にいるか確認しているのかも…」

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