女たちの選択~その後の人生~ Vol.10

「子どもはまだ?」デリカシーのない発言に苦しめられた10年…。38歳女の決断とは

−“女”の幸せとは、結婚し、子どもを産み育てることである。

そんな固定概念は、とうの昔に薄れ始めた。

女たちは社会進出によって力をつけ、経済的にも精神的にも、男に頼らなくてもいい人生を送れるようになったのだ。

しかし人生の選択肢が増えるのは、果たして幸せなことだろうか。

この連載では様々な女たちの、その選択の“結果”をご紹介する。

前回は年下男と結婚し、金より愛をとった咲子を紹介した。今回は、「子どもはいらない」と話す加奈(38歳)のお話。


File:10 ”産まない”決断をした女


名前:加奈(仮名)
年齢:38歳
職業:コンサルティング会社勤務


「今、私は38歳なのですが…ようやく、本当にようやくです。“子どもは?”なんて、デリカシーのない質問をされずに済むようになったのは」

加奈はそう言って、過去の嫌な記憶を思い出したのか、眉間に軽くしわを寄せた。

時刻はまもなく21時になろうとしている。仕事帰りに、彼女のオフィス近くにある喫茶店で待ち合わせて話を聞いた。

元々は大手広告代理店に勤務していた彼女は、28歳で同い年で某テレビ局に勤務の彼と結婚。そのタイミングで、入社当時から可愛がってくれていた先輩が立ち上げたコンサルティング会社に転職。

代表の右腕として仕事に邁進してきた加奈は、結婚して10年が経つ現在もまだ子どもがいない。

そのせいでこれまで何度も不愉快な思いをしてきたと、彼女はため息交じりに語った。

「30歳を過ぎて独身だと“独身ハラスメント”に遭うというのはよく聞きますが、私のように20代で結婚したらしたで、今度は“子どもはまだ?”って言われ続けるわけです。本当に…お節介もいいところですよ」

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