女たちの選択~その後の人生~ Vol.9

「お金なら、私が稼ぐから…」低収入の男と結婚し、世帯主となった32歳女の後悔

−“女”の幸せとは、結婚し、子どもを産み育てることである。

そんな固定概念は、とうの昔に薄れ始めた。

女たちは社会進出によって力をつけ、経済的にも精神的にも、男に頼らなくてもいい人生を送れるようになったのだ。

しかし人生の選択肢が増えるのは、果たして幸せなことだろうか。

選択に結果には常に自己責任が伴い、実際は、その重みで歪む女は少なくない。

この連載では様々な女たちの、その選択の“結果”をご紹介する。前回はモラハラ夫に虐げられる久美子を紹介した。

今回は自らが世帯主となることを決めた咲子(32歳)のお話。


File:9 世帯主となった女


名前:咲子(仮名)
年齢:32歳
職業:経営者


「私…お金に目をくらませて、うんと年上のおじさんと結婚しちゃうような女のこと、心底バカにしていたんですよ」

週末、都内のカフェで随分と毒のあるコメントを口にしたのは、自身でアパレルブランドを展開しているという咲子・32歳である。

「今の時代、女だって努力さえすれば十分に稼げます。お金が欲しければ、自分で生み出せばいいの。それを楽して暮らしたいがために、大して愛してもいない男と一緒になるなんて…私にはまったく理解不能でした」

30歳のときに新卒から勤めた大手子供服メーカーを退職。OLをターゲットにした手頃な価格帯のアパレルブランドを立ち上げ、たった2年で事業を軌道に乗せた咲子であるから、その言葉にも説得力がある。

しかし彼女はそこまで言うと、急に表情を曇らせた。

「でも…今となれば身にしみてわかります。結婚においてお金がいかに大事か。贅沢ができるとか楽できるとか、そういう話じゃない。なんていうか…男女の本質に関わる問題なんですよ」

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