SPECIAL TALK Vol.58

~自分のなかの「やりたい」に正直に生きる。それが“新しい”を作る原動力になる~

高校での海外留学を親に相談することなく決断

金丸:中学校は、地元の公立校に通われたのでしょうか。

仲:はい。そのまま近くの中学に。

金丸:相変わらずおとなしい子でしたか?

仲:それが、中学進学のタイミングで、何かが弾けて学級委員になったり。

金丸:何があったんですか?

仲:自分でもよくわからないんですけど、ひょっとすると、自分に自信がついたのかもしれません。小学校の卒業式のとき、10人くらいの後輩から「サインください!」って囲まれたりしたので。

金丸:えっ、なんですか、それは(笑)。ここまで聞いた話で、そんな要素はなかったような。

仲:謎ですよね(笑)。もしかしたら自分では根暗だと思っていたけど、周りからすると”クールでかっこいい女子“と思われていたのかもしれません。

金丸:何もしないことで、かえって人気者に。では、趣味もインドア派からアウトドア派に変わったりしました? スポーツが得意とか?

仲:飛び抜けてというわけではないですけど、球技が好きで、バスケは得意でしたね。だからバスケ部に入部したんですが、夏合宿の初日に「辞めます」と。一日目でもう無理だと思って、そのあとはずっと美術部です。

金丸:見切りをつけるのが早い。でも漫画家の道には近づいてますね。中学卒業後、高校はどちらに?

仲:実は日本を離れ、ニュージーランドに留学しました。

金丸:えっ。またいきなりですが、なぜ留学を?

仲:両親の影響が大きいですね。子どもの頃、家族で毎年のように東南アジアに旅行に行ったのですが、ふたりとも英語が話せるので、自由気ままに旅を楽しんでいて。ホテルもバックパッカーが泊まるような安い宿でした。

金丸:現地の人たちとちゃんと意思疎通ができれば、旅の楽しみも増えますよね。

仲:フィジーやニューカレドニア、ハワイやシンガポールなどにも連れてってもらったんですが、行く先々で両親が現地の人たちと話しているのを見て、すごいなと。そして、私も早く世界に出たいと思うようになりました。

金丸:留学したいと伝えたとき、ご両親はどんな反応でしたか?

仲:事前に何も言っていなかったので、びっくりしていましたね。でも「あ、そうなんだ、海外行きたいんだ」みたいな感じでした。

金丸:意外とあっさりしていますね。

仲:うちの両親は子どもに「こうなってほしい」とかあまり考えていないんです。いい意味で何の期待もしてないし、背負わせたりしない。互いを尊重し、お互いがお互いの道を行くのをよしとしているんです。

金丸:レールを敷いて、子どもにその上を走らせようとする親が多いなかで、その姿勢は立派だと思います。

仲:それに、留学の話を切り出した時点で、すでに願書を取り寄せていました。現地の高校に行くための旅行も組んでいたので、「じゃあ一緒に高校見学にいこうか」という話に。

金丸:仲さん、さすがの行動力ですね。それだと「ちょっと待って!」とは言えない(笑)。ニュージーランドはいかがでしたか?

仲:田舎の高校だったんですが、それが本当に田舎で、遊ぶ場所なんて何もない。おかげでガリ勉になりました。

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