女たちの選択 Vol.4

「女性が輝く社会」なんて嘘。会社役員に昇りつめた35歳女が、育休で直面した壁

—“女”の幸せとは、結婚し、子どもを産み育てることである。

そんな固定観念は、とうの昔に薄れ始めた。

女たちは社会進出によって力をつけ、経済的にも精神的にも、男に頼らなくてもいい人生を送れるようになったのだ。

しかし人生の選択肢が増えるのは、果たして幸せなことだろうか。

選択の結果には常に自己責任が伴い、実際は、その重みで歪む女は少なくない。

この連載では様々な女たちの、その選択の“結果”をご紹介する。結婚願望が強い美香(34歳)不本意にデートを繰り返す人妻・真弓(32歳)に、産後鬱に陥った由里子(33歳)に続き、念願の我が子を授かった麻里(35歳)のお話。


「“女性が輝く社会”って、一体何なんでしょうね」

麻里は小さく溜息をつき、ベビーカーで眠る赤ん坊を愛おしそうに見つめた。

「娘は6ヶ月になったばかりです。最近本当によく笑うようになって、愛情が増すばかりで...」

ショートカットに薄化粧、ラフなTシャツとワイドパンツ。そしてサイベックスのベビーカーにState of Escapeのママバッグを抱えて登場した彼女は、いわゆる“都心のママ”を体現しており、この白金という土地がよく似合っている。

育休中の麻里の日課は、毎日朝夕とベビーカーで散歩をし、娘が寝静まったタイミングでカフェに寄ることだという。

しかし一息つくわけではなく、テーブルの上にはハーブティーと共にMacのPCが並んでいる。

「育児はたしかに大変ですが、やっと授かった我が子です。寝返りをしたり、おもちゃで遊べるようになったり、離乳食も始めたり...日々の成長を近くで見れるのが本当に幸せで...。こんな喜びが人生にあるなんて知りませんでした。なのに...」

麻里は、悔しさと悲しさが混じったような表情で眉をひそめる。

「もうすぐ仕事に戻らなければならないなんて、やっぱり考えられない。私は仕事を辞めるべきなんでしょうか...?」

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