2019.06.15
女たちの選択 Vol.2—“女”の幸せとは、結婚し、子どもを産み育てることである。
そんな固定観念は、とうの昔に薄れ始めた。
女たちは社会進出によって力をつけ、経済的にも精神的にも、男に頼らなくてもいい人生を送れるようになったのだ。
しかし人生の選択肢が増えるのは、果たして幸せなことだろうか。
選択の結果には常に自己責任が伴い、実際は、その重みで歪む女は少なくない。
この連載では様々な女たちの、その選択の“結果”をご紹介する。結婚願望が強い女・美香(34歳)に続き、今回は人妻の真弓(32歳)に話を聞いた。
「何事も、重要なのは“バランス”だと思いませんか」
まるで自分に言い聞かせるように、真弓は静かに目を伏せた。
「ひとりの男性に永遠の愛を誓う時代でもないじゃないですか。なら子どもたちのために、円満な家庭を築ける道を選んだだけの話です」
口調こそ穏やかだが、そこには何かを振り切るような、投げやりとも思えるような意思の強さが伺える。
「私は23歳で長男を産んだんです。年子の娘も小学生になりました。主人はひと回りも年上ですし、もうどうやっても“男女の仲”には戻れませんから」
そうしてニコリと微笑んだ真弓の表情には、粘るような色気があった。
若くして結婚した女というのは、その時点で時間が止まってしまったような、ふわりとした空気感を纏っていることが多い。
しかし真弓は、清純と色香という相反する不思議な気配を漂わせていた。
「私のこと、最低な母親だと思うでしょう。でも...」
さらに彼女は、衝撃的な言葉を口にしたのである。
「子育ても落ち着いたし、外で恋愛でもしてみたら?と私に提案したのは、主人なんですよ」
外に羽ばたいて自立して恋愛してくれれば、自分の肩の荷もおりる。都合よく子育てや家庭から逃れて自由を楽しむ最低な夫だな、と思った。
専業主婦になれば自分の時間がなくてかわいそうと言われ、仕事をがんばって家族のいない人生を送れば幸せじゃないと言われ、もうほっといてほしいと思うわー
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