男運ナシ子 Vol.13

出会って2回目で、50万円の贈り物…?38歳経営者男から、プロポーズ同然の告白をされた女

欠点のない、完璧な男などこの世にはいない。人には誰でも長所と短所があるものだ。

しかし、女性が絶対に許せない短所を持った男たちがいる。

浮気性、モラハラ、ギャンブル、借金、ストーカー…

そんな残念男とばかり引き寄せる女が、もしかしたらあなたの周りにもいないだろうか。

橘梨子(たちばなりこ)、32歳もその一人。人は彼女を男運ナシ子と呼ぶ。

この話は、梨子がある出来事をきっかけに、最後の婚活に挑む物語。彼女は最後に幸せを掴むことが出来るのか、それとも…


結婚相談所からの紹介で、IT企業を経営する藤田聖人と出会い、運命を感じる梨子。しかし、結婚相談所からしばらく業務を停止するという連絡がきて、動揺するのだった。


「あれ?なんで出てこないんだろ…?」

梨子は、自宅のPCで結婚相談所のホームページを開いていた。

お見合いをした2人のプロフィールをもう一度読みなおそうと、山田崇と藤田聖人のページをクリックするのだが、どちらも出てこないのだ。

―メッセージくれた他の人は表示されるのに、おかしいな…。

もしかして2人とも退会したのだろうか。疑問に思っていると、ちょうど聖人からLINEが届く。

“今週末、お食事しませんか?”

梨子も、週末彼に会えたらいいな、と考えていた矢先だった。嬉しくなって、“ぜひ、行きたいです”とすぐに返信した。

ー結婚相談所のプロフィールの件も、会ったついでに確かめればいいよね。…それにしても、デート楽しみ!何着て行こうかな…?

こうして梨子は、聖人とのデートを心待ちにするのだった。



週末、久々に高円寺を訪れた。

就職してからは、なかなか来ることがなくなった町だ。ふと、駅前に貼られている阿波踊りのポスターが目に留まる。

―そういえば、放浪して消えた彼氏が、高円寺の阿波踊り好きだったなあ。

そんな遠い記憶を辿りながら、街行く人々を見つめる。夏休みが始まっているからだろうか、若者の活気で溢れていた。

―あれ?私の服装、高円寺では浮いてるかも…?

デートだと思って気合いを入れて、ワンピースにルブタンの勝負靴を履いたが、街を歩く人はみなカジュアルな装いばかりだ。聖人と会えることにばかり気をとられて、場違いな格好をしてきてしまったのだ。

そのとき、人混みの中から大きな声が聞こえた。

「ごめん!お待たせ!」

息を切らせながら、聖人が走ってくる。聖人もカジュアルなTシャツにチノパンという格好だ。

「梨子ちゃん、今日は一段と綺麗だ」

ストレートに褒めてくれる聖人に恥ずかしくなりながら、「気合いいれすぎました」と照れて俯いた。

「いや、俺と会うために気合い入れてくれたとしたら、嬉しいな」

聖人はそう言って、ニカっと笑う。どうやら口先ではなく、本心から言ってくれているようだ。そして彼は、梨子の手を取って歩き出した。

「あんまりオシャレなお店じゃないんだけど、俺のよく行くお店に連れて行きたくて」

たどり着いたのは、年季の入った焼き鳥の看板に、たれのいい香りが漂う居酒屋だ。

「こんばんは!」

聖人は元気よく挨拶をして店内に入っていく。そんな彼は、きっと礼儀正しい人なのだろう。

彼はこの店の常連のようで、大将が「お、聖人!こんなべっぴんさん、どこに隠してたの?」と声をかけてきた。聖人は嬉しそうに頭を掻いて、照れ笑いをしている。

オーダーを済ませて料理を待つ間、梨子は、ずっと気になっていた結婚相談所のプロフィールページの件を聞くことにした。

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