12星座の女たち Vol.11

「俺じゃ、ダメですか…?」恋に淡泊な35歳の水瓶座女を突き動かした、年下男の一言

人生には思いがけない出来事が、いくつも用意されている。

良いことばかりが人生ではない。

受け止めきれずに取りこぼしてしまうこともあるだろう。時には呼吸ができないほど苦しい時もある。

そんな困難に直面し、心が折れてしまいそうになった時、ほんの少しだけ背中を押してくれる存在に出会えたら、人生は好転していくのかもしれない—。

これは生まれ月の違う12星座の女たちが、ある存在をキッカケに自分を取り戻していくストーリーである。

前回は、マリッジブルーに陥ってしまった“山羊座の女”を紹介した。今回は―。


名前:笹川由香里(35歳)
誕生日:1月22日
職業:フリーランス ライター
住居:中目黒

Case.11 一見クールだが、秘めた情熱を持つ水瓶座の女


「じゃあ…、また。」

麻布十番駅の改札で、彼に手を振った瞬間。なぜか、「この人とはもう一生、会うことはないだろうな」という予感がした。

その男と出会ったのは2ヵ月ほど前のこと。以来、デートをする仲になった。そして、由香里の記憶が正しければ、今日は3回目のデートだ。

険悪な雰囲気になったわけでも、デートが楽しくなかったわけでもない。

むしろ、由香里が行ってみたいと言った紹介制の『鳥さわ22』を予約してくれたり、フリーランスで〆切の都合によって左右される予定に合わせてくれたり。

とにかく気の利く男だったのだけれど―。

ただ、きっともう二度と誘われることもないだろうし、誘うこともないだろう。お互いに息苦しさを感じている、そんな気がしたのだ。

改札に吸い込まれて消えてゆく男の背中を、由香里はぼんやりと見つめる。

―どうして、いつも本気になれないのかしら…。

人並みに恋をして、結婚する。都内のどこかに2LDKくらいの家を借りて、そのうち子供を授かる。そういう人生が訪れるだろうと思っていたのに―。

気が付けばアラフォーと呼ばれる年齢に突入しても、一向に恋に落ちる気配すらない。

ほんの少し「いいな」と思う人がいても、何度か会っているうちに、何かが違うと感じてしまう。そして気付けば今日のように、どちらからともなく疎遠になる。

モヤモヤした思いを抱えながら、帰宅しようとしたその時だった。

スマホが鳴り確認すると、ある男からのメッセージが届いていた。

「今、麻布十番にいるんですが、よかったら一緒に飲みませんか?」

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