オトナの恋愛塾~宿題編~ Vol.53

3ヶ月も焦らされたのに...。ようやく女を家に呼んだ途端に、男がアッサリ拒否された理由とは

宿題1:このデートで、美香が気になった健二郎のとある行動とは?


美香と出会ったのは、知人が開いていた個展だった。主催場所となっていたギャラリーはとても小さく、知り合いしか来ていない。そこに同じタイミングで観に来ていた美香を、知人から紹介されたのだ。

—なんて綺麗な人なんだろう。

それが、第一印象だった。

お互いアートが好きという共通の趣味のお陰で話は盛り上がり、そのまま一緒に飲みに行くことになった。そのときに連絡先を交換し、次のデートで食事へ行くことになったのだ。

そして初デートに、僕は『はっこく』を予約した。前回美香が“お鮨が好き”と言っていたので、気に入っている店を選んだのだ。


「へぇ〜じゃあ美香ちゃんはフランスに留学経験があるの?」
「そうなんです。1年だけですが。健二郎さんは、今外資系にお勤めですよね?どこか海外に住んでいたんですか?」

僕は現在、外資系のコンサルティングファームに勤めている。英語はできるし出張も多いのだが、学生時代に少し留学していた程度だった。

「いや、僕なんて住んでいたレベルに入らないくらいだよ。英語は、学生時代に勉強ばかりしていたから、仕事では困らない程度にできるかな。あと旅行が好きだから」
「へぇ〜そうなんですね!どこへ行かれるんですか?」
「あ、ちょうど写真があるよ」

美香が興味を示してくれたので、僕はスマホに入っている今年の頭に行ったヨーロッパの写真を見せようとする。しかし画面が少し汚れており、慌てておしぼりでスマホの画面を拭いてから彼女に見せた。

「パリとミラノに行ったんだけど・・・」
「わぁ〜素敵♡健二郎さん、こんな所に行かれてるんですか?いいなぁ」

美香の目が、完全にハートマークに変わっていた。

持ち上げ上手な彼女のお陰で僕もすっかりその気になり、調子に乗って更に写真を見せる。

「これはどこですか?」
「あぁ、これはミラノにある有名な店で・・・」

そう説明を続けていくと、美香が体を寄せてスマホの画面をスクロールするので、距離はどんどん近くなる。僕は心拍数が上がってしまい、“ちょっと待ってね”と言って慌てて画面を再び拭き、心を落ち着かせた。

「まだ時間は大丈夫?もう1軒行かない?」
「もちろんです!」

そうしてタクシーに二人で乗り込み、行き先を告げる。するとタクシーの後部座席には、小さな液晶画面に騒がしい動画が流れており、僕はその画面をOFFにした。

「こういう動画、お嫌いなんですか?」
「いや、嫌いじゃないんだけど、煩くない?しかもせっかく美香ちゃんと話せる時間だから、必要ないかなぁと思って」

ガヤガヤとうるさい音は、二人の静かな空間に邪魔である。視界に入ってくるとせっかくのデートが台無しだ。そう伝えると、美香はニコニコと微笑んだ。

「そっか、そうですよね。せっかく二人で話せる貴重な時間ですもんね」

こうして僕たちは2軒目でも多くを語り、盛り上がったのだった。

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