2019.04.20
SPECIAL TALK Vol.55宮城県気仙沼市の男子顔負けのスポーツ少女
金丸:谷さんは宮城県気仙沼市のご出身だそうですね。
谷:はい。高校で仙台に出るまではずっと気仙沼です。海があって、山があって、自然豊かで、自分自身のベースを作った大事な場所です。
金丸:昔から体を動かすことが好きだったのですか?
谷:大好きでした。2歳年上の兄がいて、近所も男の子ばかりだったので、彼らに負けじと一緒に外で遊び回っていました。両親にはしょっちゅう怒られていましたね。言うことを聞かなかったり口答えしたりして、家から追い出されたことも(笑)。でも追い出されても、裏のドアなら開いているはずと全速力で裏に回って、結局鍵をかけられたり、という。
金丸:すぐに諦めることはしない。子どもの頃からガッツがあったのですね(笑)。
谷:両親は私が体を動かすのが大好きだと知っていたので、あまり勉強しろとは言いませんでした。おてんばだったので、小学校の先生からは「まみすけ」というあだ名をつけられましたし、当時の友だちからは、今でも「まみすけ」と呼ばれています(笑)。
金丸:男の子扱いされるくらい活発だったんですね。スポーツを始めたのはいつからですか?
谷:小学1年生からスイミングスクールに通い始めました。3年生のときに選手育成コースに選ばれ、その後は週5で通い、子どもながらにスポーツの厳しさを知りました。
金丸:現在はトライアスロンに取り組まれていますが、ルーツは小学1年生まで遡るんですね。
谷:そうですね。水泳は心肺機能が高まるので長距離走も得意で、高学年のときは地域のマラソン大会にも出場しました。実は、気仙沼市の水泳大会と陸上大会の両方で一番になったことがあります。
金丸:それはすごい!
谷:おかげで、自分にすごく自信が持てました。
金丸:中学校でも水泳を続けたのですか?
谷:いえ。中学では陸上に転向し、1,500メートル走と3キロ以上の駅伝の中長距離走をしていました。2年生のときには、県で8位にもなったんですよ。
金丸:水泳も陸上も個人スポーツですよね。私もスポーツは好きなんですが、黙々とやるのがダメで、個人スポーツは苦手でした。横にライバルがいないと続けられないタイプなんです(笑)。
谷:そうおっしゃる方は多いですよね。私はひとりで黙々と、というタイプで、近くにある安波山という標高240メートルほどの山に、毎朝走って登るのを日課にしていました。眠くても、寒くても、疲れていても、毎日続けると決めていて。今振り返ってみると、結構変わった子ですね(笑)。自分と向き合うスポーツはたしかに楽ではないし、練習自体もすごく楽しいわけでもないけれど、結果がついてきたときの達成感がすごいんです。その喜びが、また次も頑張ろうというエネルギーになっていました。
金丸:日々の積み重ねが結果につながることを知っている人は強いですね。練習はつらくても、努力は嘘をつきませんから。
「勉強に集中」のはずが、陸上部からスカウトを受ける
金丸:高校はどちらに進学されたのですか?
谷:仙台育英学園高等学校です。
金丸:周りも地元を離れる人が多かったのでしょうか?
谷:いえ、ほとんどいませんでした。95%は地元に残るのですが、私は外の世界も見てみたかったので。
金丸:なるほど。高校へはスポーツ推薦で?
谷:それが違うんです。昔から早稲田大学に行きたくて、そのために進学コースに入りました。
金丸:なぜ早稲田を目指したのですか?
谷:父と祖父が早稲田出身だったこともあり、子どもの頃テレビで、早稲田の学生が活躍するスポーツを見ていました。その‶えんじ"の早稲田に、いつか自分も行きたいなという憧れをもっていました。
金丸:ということは、大学でスポーツに打ち込むために、高校ではスポーツを封印したわけですね。
谷:はい。気分転換で週末に走ったりはしていましたが、当時、進学コースは部活動禁止でしたから。
金丸:これまでスポーツ三昧だった生活から一転ですね。
谷:それが仙台育英はマンモス校で、進学コース以外にスポーツと学業の両立を目指すコースや外国語に特化したコースなど、いろいろなコースがあります。あるとき、全コースが参加する校内のマラソン大会で、1位になりまして。
金丸:そうなんですか! それはさすがです(笑)。
谷:それをきっかけに、陸上部の監督からスカウトされました。
金丸:監督からすれば、誘わずにいられないでしょう。
谷:陸上部には県内トップの選手が集まっていて、ケニアからの留学生もいました。そんな環境に本当に私が入っていいのか悩みましたし、先生方からは「成績が下がったらどうするんだ」とも言われました。
金丸:結局どうされたんですか?
谷:最後は「こんなにレベルの高い人たちと一緒に練習できるなんて、一生に一度しかない」という思いが勝ち、2年生から入部することにしました。とはいえ、正直言って、レベルの差を感じましたね。
金丸:1年間のブランクもありますから。
谷:3年生に上がるタイミングで退部してしまったので仙台育英のユニフォームを着て試合に出ることはありませんでしたが、県内トップの選手や留学生と同じ環境に身をおけたのは大きな財産になっています。
金丸:上には上がいるということを知るのは、いいことですよ。
谷:それに「強い選手は楽しんでいるんだ」ということを感じましたね。それまでの私にはなかった感覚なので、本当にいろいろなことを学ばせてもらいました。
【SPECIAL TALK】の記事一覧
2024.11.21
Vol.122
~自分の体を認めることが、自分を好きになるための第一歩になる。~
2024.10.21
Vol.121
~スポーツの喜びをより多くの人が体験できるよう、これからも挑戦はやめない。~
2024.09.21
Vol.120
~日本の農業が続くための仕組みを作り、アップデートできるよう挑み続ける~
2024.08.21
Vol.119
~すべてを制覇したい気持ちは変わらない。経営陣になっても燃えたぎる闘志がある~
2024.07.20
Vol.118
~歌舞伎役者を夢見た少女だから、歌舞伎役者の母としてできることがある~
2024.06.21
Vol.117
~1杯で幸せになる利他的なコーヒーを目指して~
2024.05.21
Vol.116
~多くの人の期待と希望を背負う街づくりほど、面白い仕事はない。~
2024.04.19
Vol.115
~この楽器だからこそできる表現を。歴史ある箏を武器に世界を目指す~
2024.03.21
Vol.114
~勝負の気持ちから感謝の気持ちに。青森の伝統を守り、盛り上げたい~
2024.02.21
Vol.113
~学問という知的な武器を子どもたちに。学びの体験をアップデートして日本を変える~
おすすめ記事
2019.03.20
SPECIAL TALK Vol.54
~フランスパンを日本の食文化に、その挑戦に自分のすべてを捧げたい~
- PR
2024.11.20
銀座で女性と過ごす夜。アイリッシュウイスキーが引き寄せた、2人だけの密やかな高揚とは
2016.05.19
この手があった!1か月超ステイなら高級サービスアパートメントという選択肢
2016.02.01
中国ビジネス関係者必携!日本で唯一の中国歳事が全網羅のカレンダー登場
- PR
2024.11.18
総勢100名に当たる!西友&東急ストアで「スプリングバレー」を買って東カレ厳選グルメをもらおう!
- PR
2024.11.21
クリスマスは絶景を望むホテルデートへ!彼女がワッと喜ぶ、とっておきの夜を丸の内で過ごすなら…
- PR
2024.11.22
渋谷在住の29歳OLが自分へのご褒美に♡と、奮発したあるモノとは?
2023.06.20
ハラスメント探偵~解決編~
「突然のリモート会議で上司から顔出しを強要された!」これってパワハラ?
- PR
2024.11.22
2024年の締めくくりはこれで決まり! 美味でゴージャスな「アメリカンビーフ」を楽しめるステーキハウス4選
2023.06.20
ハラスメント探偵~通報編~
終業後に若手社員3人がオンラインで密談。どうしても許せなかった上司を内部通報した理由
東京カレンダーショッピング
『佐藤養助商店』:門外不出の技による、喉ごし滑らかな"稲庭干饂飩"
『かに物語』:ふっくらと肉厚な一本爪が2本入ったフレンチカレー
『西岡養鰻』:特製タレ付き!脂の乗った高品質な鰻を土佐備長炭で丁寧に焼き上げた蒲焼
『マルヒラ川村水産』:ご飯に載せて贅沢いくら丼!1粒1粒に旨みが凝縮された、とろける食感の北海道函館産天然いくら
『North Farm Stock』:北海道産ミニトマト使用!糖度が高く、コクとうまみがたっぷり詰まったトマトジュース
『ル・ボヌール 芦屋』:フリーズドライフルーツにホワイトチョコがたっぷりと染み込んだ新感覚スイーツ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"