姉妹格差 Vol.8

「私…、愛されてたの?」27年間、劣等感に苦しんでいた女が知った衝撃の真実

「美人で優秀な姉と、できの悪い妹」

幼いときから、2人はこう言われてきた。

妹の若葉(わかば)と、姉の桜(さくら)は3歳差の姉妹。27歳と30歳になった今、その差は広がるばかりだ。

エリート夫と結婚した姉の桜は、超美人な上に高学歴で、しかも弁護士。そんな姉に対し、妹・若葉は、劣等感に苦しめられていた。

若葉は2度目の司法試験に臨むも不合格。パラリーガルとして姉の事務所に就職しイケメン上司、滝沢に恋心を抱くが、彼はなんと姉とデートする仲だった。必死で振り向かせようとするも撃沈、ついに姉妹喧嘩に発展。そんな時、姉の夫の浮気現場を目撃してしまい…?

姉の夫が他の女性とデートをしている。それもなんだか、パッとしない女と-

あの衝撃の現場を目撃して以来、私は、姉にどう接すればいいか悩んでいた。姉にはいつも腹を立てていたが、浮気されているとなると、さすがに同情心が湧いてくる。

そういえばここ数か月の姉は、これまで以上に攻撃的だった。それに加えて、最近の弱り方。どう考えても姉は、夫の不貞に気づいている。

彼女は弁護士だから、しかるべき対応をするだろう。私は姉の面子を守るためにも言わないと心に決めた。

そんな私たちの関係が変化したのは、それから1週間後のことだった。姉からLINEがきたのだ。

「見てほしいものがあるから、今度の連休に実家に来て」

-急に呼び出してくるなんて、一体何よ…?

正直、もう実家には帰りたくない。しかし、今まで見たことないほど憔悴しきった姉の姿が脳裏をよぎった。もしかしたら重大な話でもあるのかもしれない。

実家を飛び出していったあの日、「待ちなさい」と呼び止めようとした姉の声が蘇り、渋々もう一度と姉に会うことを決意したのだった。



週末。訝し気に実家に帰ると、薄暗いリビングに1人姉が座っていた。

「安心して。お父さんとお母さん、今度こそ旅行でいないから」

私の胸の内が伝わったのだろうか。姉が説明してくるが、その声が信じられないほど弱々しい。

今日の姉は、以前よりもさらに痩せて痛々しくなっている。いつもなら驚いて理由を訊くところだが、あの事実を知ってからは、何でもないフリをしてしまう。

すると姉がおもむろに、”Diary”と書かれた日記を2冊、手渡してきた。表紙には1992だとか1995と書かれており、かなり年季が入っている。

これは一体、誰の日記だろう…そう思っていると、姉が淡々とした口調で言った。

「これ、お母さんの日記。読んでみて」

姉はそれだけ言うと、リビングから出て行ってしまった。

-お母さんの日記なんて見たくないよ…だって絶対、お姉ちゃんのことしか書かれていないもん…

日記を見つめながら、幼少期に抱いた母への想いが一気に駆け巡る。

-私はきっと、お母さんから愛されたことがない…

それはずっと、心の奥底にしまいこんでいた感情だった。

母は私より姉が好き。私は可愛くないほうの子供…そうはっきりと感じるようになったのは、3歳ぐらいのとき。

誰に何を言われるわけでもないが、気付いてしまったのだ。姉を見つめるときの母の目は、私のそれとは全然違う、ということに。

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