姉妹格差 Vol.4

「あの男には、気をつけて」。ハイスペ男が笑顔の裏に隠した、知られざる過去とは

「美人で優秀な姉と、できの悪い妹」

幼いときから、2人はこう言われてきた。

妹の若葉(わかば)と、姉の桜(さくら)は3歳差の姉妹。27歳と30歳になった今、その差は広がるばかりだ。

美貌、学歴、キャリア、金、男…全てを手に入れた姉と、無職で独身の妹。

人生に行き詰まった妹は、幸せを掴むことができるのかー?


エリート夫と結婚した姉の桜は、超美人な上に高学歴で、しかも弁護士。そんな姉に対し、司法試験浪人中の妹・若葉は、劣等感に苦しめられていた。

若葉は2度目の司法試験に臨むも不合格。パラリーガルとして姉の事務所に就職したが、そこでイケメン上司、滝沢に出会い…。


-滝沢先生には気をつけろ、って一体どういうこと…?

姉からLINEをもらった、あの日。すぐに詳細を聞いたものの、また今度話してあげる、と素っ気ない返事が来ただけだった。

そうなるともう、気になって仕方がない。翌日の朝、気づけば私は滝沢の仕草やら行動やらを観察していた。

-問題があるとするなら、女か、お金か、もしくは、生い立ちよね…?

けれど、いくら彼を観察したところで、何もわからない。

唯一わかったのは、彼にはあまり女っ気がないらしい、ということ。同僚の女の子たちが、そんな噂をしているのをたまたま耳にした。

そうして、滝沢の事を目で追うようになってから数日が経つと、いつの間にやら私は、「弁護士」として働く滝沢が眩しくてたまらなくなっていたのだ。

夢を諦めると決めたはずなのに、滝沢を見れば見るほど、「私もあの仕事をしたい」という気持ちが心の奥底で渦巻いてしまう。

-本当に、パラリーガルのままでいいのかな…

日に日に、今の自分に対する疑問が膨らんでくる。

そんな私に転機が訪れたのは、それから1週間後のことだった。



「はぁ…お給料日まで、あと何日だろう…」

その日のお昼休み、デスクの上で手作りのお弁当を広げた私は、思わずため息をついてしまった。

社会人生活をスタートするためにオフィスにふさわしい服や靴を新調し、何かとお金がかかった上に、就職したといってもお給料がもらえるのは1か月以上先。私の懐は、日増しに寂しくなっている。

すると突然、後ろを通りがかった滝沢がお弁当を覗き込んできた。

「おっ、神崎さん、お弁当?美味しそうだなぁ~。いつも作ってて偉いよな。朝作るの、大変じゃない?」

いきなり褒められて驚いた私は、しどろもどろになりながら答える。

「いえ、料理だけは昔から得意な方なので、お弁当も作るのが好きなんです…」

節約のためにお弁当を毎日作っている、だなんて言いたくなくて、咄嗟に言い訳をした。

無邪気な顔で「へえ~じゃあ夕飯もいつも自炊してるの?」と聞いてくる滝沢に、曖昧に頷く。

すると彼は、何かを閃いたように目を輝かせて、こう言ったのだ。

「じゃあさ、たまには外食して気分転換もしたいでしょ!夜メシでも食いにいかない?」

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