呼び出されたのは、いつも会うBARではなく、いかにも高級そうなレストランの個室だった。
大きなテーブルの角を使うように、2席セッティングされており、先に来ていた茜に近づいていくうちにまず、茜の変化に驚いた。
元々華奢で小さな人ではあったけれど、その日はその細さが際立っていた。いつもはもっと、その体から強いエネルギーのようなものが放たれているのに、それが消え、顔も青白く見えたので、歩は会うなり心配する言葉を口にした。
茜は、歩の質問には答えずテーブルの上に、何か白いものを差し出した。
「園田光子、さま?」
ー死を覚悟した茜が最期に、光子に伝えたかったこととは…?ー.....
Who?
—この男は、誰だ?—
明晰な頭脳と甘いマスク、輝かしい経歴を武器に、一躍スターダムにのし上がった男がいる。
だがもしも、彼の全てが「嘘」だったとしたら?過去を捨て、名前を変え、経歴を変え、顔を変えて別人になっていたら…?
彼へ羨望の眼差しを向けていた者は、きっとこう思うだろう。
「この男は、本当は誰だ?」と。
だが実は、当の本人こそが一番思っていたのではないだろうか。
鏡に映る自分の顔を見て、「この男は、誰だ?」と。
その絶望と孤独を、あなたは想像できるだろうか?
この記事へのコメント
これって実は、それぞれの正義の物語なのかも?と思えてきました!
色々と考えさせられました。
幸せになっててほしい!!