略奪愛 Vol.13

「離婚するなら…条件があります」略奪愛に溺れる夫に、妻が突きつけた残酷な選択

人のものを奪ってはいけない。誰かを傷つけてはいけない。

そんなことは、もちろんわかっている。

しかし惹かれ合ってしまったら、愛してしまったら、もう後戻りなんてできない−。

WEBメディアで働く三好明日香(24歳)は、彼氏がいながら既婚の上司・大谷亮(おおたに・りょう)男女の関係に

距離を置こうとする離れられない二人は、ストーカー化した明日香の元彼・昭人から逃げるように同棲を開始

何者かの仕業で二人の関係が暴露され、会社を辞めた明日香。さらに一時帰国した大谷の妻にも関係がバレ、事態は修羅場と化すのだった。


大谷舞:「離婚するなら、条件があります」


−離婚に向けて、話し合いをさせて欲しい−

夫が口走ったその言葉を、私はすぐに理解できなかった。一体、彼は何を言っているのか。離婚する…?この、私と?

「何を…バカなこと言ってるの」

ようやく絞り出した声は、自分でも聞いたことのないくらい弱々しかった。

「私と別れて…あの女のところに行くわけ」

馬鹿げている。狂っている。嘲笑いながら言ってやりたかったのに、声は掠れ、まるで恨み節のように聞こえてしまったのが悔しい。

「違うんだ」と、亮は慌てて否定した。

「明日香が...彼女のことがきっかけになったことは認める。でもそれが原因かというと違うんだ。離婚についてはもう随分前から考えていたことで」

「そんなの言い訳だわ!」

思わず声を張り上げていた。これまでぐっと堪えていた怒りが、焦りが、嫉妬が、勢いよく溢れ出していく。

「急に離婚だなんて…あの常識知らずの女のせいに決まってるじゃない。あのね、あなたは騙されてる。知ってるの?あの子、同い年の彼氏がいるのよ。同年代の、自分と釣り合った彼氏が別にいるの。それなのに、妻がいないのをいいことに既婚者のあなたにまで色目を使って...どう考えたってロクな女じゃないでしょう」

息つく間もなくまくし立て、ハッと我に返った時…私は自分を見つめる亮の目に、軽蔑の色が浮かぶのを見た。

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