東京女、27歳 Vol.11

「もう1度やり直したいんだ…」3年前に別れた男からの想定外の告白に、30歳女が抱いた違和感

東京には、全てが揃っている。

やりがいのある仕事、学生時代からの友だち、お洒落なレストランにショップ。

しかし便利で楽しい東京生活が長いと、どんどん身動きがとれなくなる。

社会人5年目、27歳。

結婚・転勤などの人生の転換期になるこの時期に、賢い東京の女たちはどんな決断をするのだろうか。

東京の荒波をスマートに乗りこなしてきたはずの彼女たちも、この変化にうまく対応できなかったりもする――。

最終回の今日は、それぞれの苦悩から3年後、美羽の結婚式で再会した彼女たちを見てみよう。

大学時代、テニス部キャプテンだった貴美子は会社の先輩である誠との結婚を夢見るも別れてしまう

その後淡々と日々を過ごす貴美子だったが、別れてから3年経ったある日、ある大きな転機が訪れた。


File10:貴美子、30歳の場合


結婚式の二次会も終わり、すっかりお開きとなったタイミングで、杏奈が「少しお茶しない?」と声をかけてくれた。

独身ふたりが囁き合っているのに気づいたのか、有希もアイコンタクトをしてくる。そして3人でもう少し話そうと、『スラッシュカフェ』に向かった。

軽めの前菜をいくつか注文し、オリジナルビールで再度乾杯する。

気付けば、独身はこの3人だけ。既婚者組は披露宴の後すぐ、それぞれの家族の元へと帰って行った。今頃自宅に着いているはずだ。

杏奈は、会社の転勤で行っていた香港から帰国。今は元彼の興した会社の立て直しに必死で、「公私共によきパートナー」なんて悠長なことを言っている状況ではないらしい。

転職エージェントで働く有希は、同じような業界で働く男とはつい張り合いそうになるから、と癒し系の年下男子と付き合いだしたばかりだという。

「それでどうしたの、相談って。貴美子、なんか疲れていない?」

杏奈のくっきりとした眉尻が、心配そうに下がっている。私はここ最近の出来事を話そうと、一口ごくりとビールを飲んだ。

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