34歳、国立大卒の美しき才女、高木帆希(たかぎ・ほまれ)。
父親は作家の傍らコメンテーターとしても人気の有名人で、「家事手伝い」という名の「無業」で10年もの間、ぬくぬくと過ごしてきた帆希。
そんな働かずとも裕福に暮らしてきた彼女に、突如降りかかった「父の死」。
帆希に遺された父の財産は、たったの100万円。
遺言状によって明らかになった現実に、戸惑いを隠せない帆希……。
再び「社会」と向き合わざるを得なくなった帆希は、5年の付き合いになる年下の彼氏・牧野涼輔の家に転がりこもうとするのだが…
「…出張で葬儀にも行けなくて…ごめんね…帆希。大丈夫?」
「ええ、まあ、何とか……」
私は、西麻布にあるワインバー『goblin』で、2歳年下の恋人・牧野涼輔と会っていた。
涼輔は千代田区に本社がある財閥系不動産会社の営業部の主任で、父親は外交官、母親は専業主婦の一......
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この記事へのコメント
34ならまだ間に合うから。
しかし、どうやって働かずに、自分が変わらずに生きていこうか考えるなんて、本当に『グズ』だと思う❗(ハラスメントです)