魚介や野菜が美味しさを最大限に発揮する冬。この時期はやはり、素材そのものの味わいを活かした和食を食べたくなる。
都内最高ランクの神楽坂の名店『石かわ』グループから、初の銀座進出を果たした『蓮』では、最高の旬の美味が味わえる。
この注目の和食店を訪れれば、きっと冬に感謝したくなるほどの絶品体験が待っているだろう。
名店『蓮』が銀座で魅せる新たな感動と驚き
2009年、神楽坂の和食の名店『石かわ』の姉妹店として誕生した『蓮』。今年6月に世界有数のグルメエリアである銀座に移転し、さらに魅力を増した。
カウンターメインだった神楽坂から、個室も備える銀座へと移ったことで、料理を供する際の一瞬の驚きや感動をより重視するようになったと語る店主・三科氏。
そんな彼の想いが一目で感じられるのがこの日用意いただいた冬のお造りの代表でもある「ふぐの薄造り」だ。
冬の訪れに感謝したくなる!美しい「ふぐの薄造り」に舌鼓
重厚な朝鮮唐津の器に盛られた「ふぐの薄造り」は、計算された芸術的で繊細な美しさを感じさせてくれる。
その美しさに感動しながらも、ふぐを一切れ口に運べば、4~5日間寝かせたふぐの旨みがじんわりと広がっていく。
つけだれとして添えられたあん肝ぽん酢も絶品。橙や昆布、鰹出汁などで作る自家製ぽん酢に、たっぷりとあん肝を入れ、仕上げに一味をひとふり。
こちらをちびりちびりとつまみながら、ビールを飲むのも最高だ。
伊勢海老本来の美味しさと出汁の旨味を堪能
続いて紹介するのは「伊勢海老の煮物」。口に入れた瞬間に弾けるような伊勢海老のプリッとした食感、そして強い旨みが駆け抜けていく。
この食感がより引き立つよう表面には葛(くず)をうち、伊勢海老との相性も良い玉ねぎや葱などを入れた出汁で炊きあげている。
仕上げに細切りの柚子と春菊を添えた一皿は、色合いもよく目の前に運ばれてきただけで食欲を刺激してくれる。
職人技を感じる上品ながらも印象深い逸品
若くして『蓮』の料理長を任された三科氏の腕前を存分に感じられるのが「金目鯛のかぶら蒸し」だ。
冬になると甘みを増し、きめ細かくなる蕪はふんわりと柔らかく、金目鯛の甘さと旨みに寄り添いながら、それぞれを引き立て合う。
コースの合間にそっと登場する一品だが、「しみじみ旨いなあ」と、冬が食材の味が濃くなる季節だと実感させられる。