外銀女子 Vol.6

外銀女子:実力主義じゃなかったの?政治・贔屓・コネ...etc 欲望渦巻く、外銀の“ウラ事情”

デスクに戻るついでに、コップ一杯の水を汲んで帰る。

こうなってしまった以上、今日の昼食も当然、粉末栄養ドリンクをシェイクするしかあるまい。

―金曜までに何とか出来れば。

投資家訪問までにこのレポートが必要なのはもちろんだが、もう一つ直子は気にかけていることがあった。

土曜に、知也とディナーの約束をしているのである。

急に知也の出張がキャンセルになり、思いがけず近々に会えることになったのだが…このレポートの状況次第ではリスケせざるを得ないかもしれない。しかし来週からは直子に長期の海外出張があるし、この機会を逃せば次に会えるのはいつになるか分からない。

仕事が好きだと認め始めてはいたが、こうやってプライベートまでで振り回されてみると、何故自分がここまでしなければならないのかと悲しくなってくる。

ため息を飲み込む代わりに大きく流し込んだ栄養ドリンクは、いつも以上に無味乾燥な味がした。


不吉な予感


「佐藤さん」

「…はい」

デスクに置いた小さいミラーで、声を掛けられる前からあゆみが後ろに立ったことは分かっていた。しかし話しかけないでくれる可能性が0.01%でもある限り、直子から振り向くことは無い。

「レポートの件なら、メールで送ったドラフトに持田さんのパラグラ......


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