恋と友情のあいだで 〜里奈 Ver.〜 Vol.13

淫らに漂う不倫妻の色気。“純愛”を掲げる女を現実に引き戻した、夫の衝撃の告白

―あの頃の二人を、君はまだ覚えてる...?

誰もが羨む生活、裕福な恋人。不満なんて何もない。

でもー。

幸せに生きてるはずなのに、私の心の奥には、青春時代を共に過ごした同級生・廉が常に眠っていた。

人ごみに流され、都会に染まりながらも、力強く、そして少し不器用に人生を歩む美貌の女・里奈。

運命の悪戯が、二人の人生を交差させる。これは、女サイドを描いたストーリー。

7つ年上の直哉との結婚した里奈は、裕福な専業主婦生活を満喫するものの、サークルの同窓会で再会した廉と結ばれてしまう

そして二人の関係に気づいた友人・未祐の企みにより、直哉が里奈の異変に勘づいてしまった。


エントランスに響くヒールの音が、やけに大きく聞こえる。

金曜日とはいえ、午前0時を過ぎた真夜中のホテルは、午後にチェックインした時とはまるで別の場所のように静まり返っていた。


―こんな時間に、リッツで何してんだよー


直哉からのメッセージを瞼に焼き付けたまま、私は礼儀正しいドアマンの視線から逃げるようにして、タクシーに乗り込む。

そして、窓ガラスに映った自分の顔を見てゾッとした。

潤んだ瞳に、やけに血色良い艶を放つ肌。化粧も髪も乱れているのに、その女の顔には妙な色気が滲んでいるのだ。

消そう、と意識して消せるものではない。

それは、たった今までの情事を生々しく彷彿とさせるものだった。

つい30分程前には、“10年越しに結ばれた”などと、夢見心地で純愛に浸っていたのに。

しかし私はどこからどう見ても、醜く淫らに欲情した人妻にしか見えなかった。

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