恋と友情のあいだで 〜里奈 Ver.〜 Vol.11

「幸せは、お金じゃ買えない」独身女の嫉妬に火をつけた、裕福な美人妻の傲慢

―あの頃の二人を、君はまだ覚えてる...?

誰もが羨む生活、裕福な恋人。不満なんて何もない。

でもー。

幸せに生きてるはずなのに、私の心の奥には、青春時代を共に過ごした同級生・廉が常に眠っていた。

人ごみに流され、都会に染まりながらも、力強く、そして少し不器用に人生を歩む美貌の女・里奈。

運命の悪戯が、二人の人生を交差させる。これは、女サイドを描いたストーリー。

派手な女子大生生活の後、総合商社での理不尽な社会人生活に疲弊した里奈は、7つ年上の直哉との結婚したが、仮面夫婦に陥ってしまう。

そんな中、里奈は廉の結婚式に呼ばれ、彼への友情が変化し始める。その後サークルの同窓会で再会したふたりは、ついに一線を越えるのだった


里奈の親友・未祐の企み


「ねぇ!廉と相沢さんが消えたんだけど!」

同窓会の会場に結衣の耳障りな金切り声が響いたとき、私は鈍い胸の痛みを感じると同時に、妙な高揚感を覚えた。

―さすが、里奈。そうこなくちゃ。

頰の端がピクリと引き攣りそうになりながらも、私はニッコリと爽やかな笑みを浮かべ、結衣に近づく。

こういう女を、羽衣女子、とでも言うのだろうか。

安っぽいラメのストールに、傷ついた太ヒールのパンプス。彼女の必要以上に切羽詰まった表情を間近で見ると、自然と苛立ちが込み上げる。

「結衣ちゃん、そんな大声出さないでよ...」

その肩に手をかけると、結衣は小さな身体をビクリと震わせた。

「廉くんのことは知らないけど、里奈はこれから私と遊びに行くの。だから心配しないで。でも...。大昔の彼氏を監視して大騒ぎするなんて、少しお下品じゃない?」

最後の方は、お情けで小声で囁いてやる。

すると結衣は、顔と耳を真っ赤に染めながらも、納得のいかない表情で私を睨みつけた。

―バカな女...。

10年前よりだいぶ肉付きの良くなった小さな丸い後ろ姿が、ちょこちょこと内股歩きで去っていく。そんな彼女を見ていると、笑いを堪えるのに苦労した。

決して、里奈を庇ったワケじゃない。

私はああいう自己主張の強い中途半端な女が、昔から嫌いなのだ。

それに、どうせ「やる」なら、もっと賢く、徹底的にやらなければ意味がないのだから。

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