2018.07.21
SPECIAL TALK Vol.462020年のニューリーダーに告ぐ
園芸用品からペット用品、LED照明から炊飯器まで、生活を快適にする商品を絶えず生み出しているアイリスオーヤマ。
19歳で大阪の小さな町工場を引き継いだ現会長の大山健太郎氏は、新しい発想でヒット商品を次々に送り出すも、破綻寸前まで追い込まれた経営危機に直面。たどり着いたのは、消費者の不便をとことん解消するという「ユーザーイン」のものづくりだった。
常に新たな市場を切り拓きながら一代で大企業に育て上げた大山氏が、その成長の軌跡を語り尽くす。
金丸:本日はアイリスオーヤマの大山健太郎会長にお越しいただきました。お忙しいところ、ありがとうございます。
大山:こちらこそお招きいただき光栄です。
金丸:今日の対談の舞台は、東京ミッドタウンにあります『宮川町 水簾』です。四季折々の食材に繊細な仕事が加えられた京料理をお楽しみいただけたらと思います。
大山:金丸さんとふたりでお話しするのは初めてですね。
金丸:そうですね。とても楽しみです。気づいたら、わが家には「これもそうだったの!?」というくらい、アイリスオーヤマの製品がたくさんあります。今日は大山さんがいかにして、アイリスオーヤマを町工場から大企業に育て上げたのか、その軌跡を存分に伺いたいと思います。
大山:よろしくお願いします。
金丸:早速ですが、お生まれは関西ですよね。
大山:大阪です。南河内郡の藤井寺。いまだに大阪弁が抜けません。
金丸:お父様も関西の方ですか?
大山:父は韓国生まれで、子どものときに日本に来て、「大山ブロー工業所」というプラスチックの下請け工場を始めました。
金丸:どんなお子さんだったんですか?
大山:身長が大きかったものだから、番長ではないけれど目立つ存在で、同級生のほとんどが僕のことを知っていました。
金丸:大山さんは大家族だとか?
大山:女3人、男5人の8人きょうだいです。上に姉がいて、僕は2番目。でも長男なので弟や妹たちの面倒をみて、きょうだいの中では番長をやってました。
金丸:ご飯のときなんて大騒ぎだったんじゃないですか(笑)。
大山:にぎやかでしたよ。ひとつの鍋をみんなで分け合って。
金丸:家族が多いと、分け合う、助け合う、競争するなど、すべてを学ぶことができます。大山さんのリーダーシップは、家庭環境で鍛えられたのでしょうね。
中学では卓球で地区優勝。高校では一転、映画に夢中に
金丸:小学校は地元の学校ですか?
大山:はい。小学校は自宅の横、中学校は向かいにありました。だから中学時代は、始業ベルが鳴ってから家を出ていました。それでも授業に間に合うので(笑)。
金丸:勉強は得意でしたか?
大山:クラスでトップではないけど、2、3番くらいでしたね。家はにぎやかすぎて勉強ができる環境じゃありませんでした。でも、それがかえってよかった。学校では必死になって授業を聞いていました。
金丸:スポーツも得意だったんですか?
大山:中学1年の3学期に「部員が3人しかいないから手伝って」と言われて、卓球部に入ったんですが、背が高くて、手足が長いものだから、1年後には東大阪の大会で優勝してしまいました。
金丸:それはすごい。
大山:そしたら、4人しかいなかった部員が一気に50人ぐらいに増えまして。うちはスポーツで目立つ学校ではなかったので、一番になったということで校長先生にも表彰してもらい、みんなの憧れのクラブに。
金丸:すばらしいですね。卓球は高校でも続けたのですか?
大山:いいえ。インターハイに出るような高校だったので誘われたんですが、「僕は大学受験を目指すので、高校ではスポーツはやりません」と、生意気にも断りました。その頃には、夜になれば静かに勉強できるようになっていましたし、それに父から「大学に行け」と常に言われていました。父は結婚後も早稲田大学に聴講生として通うくらい、向学心のある人でしたから。
金丸:お父様も大学進学を望んでいたんですね。
大山:とはいえ、高校時代は勉強一筋というわけじゃなくて、映画に熱中しました。アクションやコメディではなく、考えさせられる映画が好きで、フランスやイタリア、スウェーデンなどいろいろな国のヌーベルバーグと言われる作品をよく観ていましたね。思春期で物事を自分で深く考えようとしていた僕にとって、人の内面をえぐり出すような映画は、非常に感じるところがありました。
【SPECIAL TALK】の記事一覧
2024.11.21
Vol.122
~自分の体を認めることが、自分を好きになるための第一歩になる。~
2024.10.21
Vol.121
~スポーツの喜びをより多くの人が体験できるよう、これからも挑戦はやめない。~
2024.09.21
Vol.120
~日本の農業が続くための仕組みを作り、アップデートできるよう挑み続ける~
2024.08.21
Vol.119
~すべてを制覇したい気持ちは変わらない。経営陣になっても燃えたぎる闘志がある~
2024.07.20
Vol.118
~歌舞伎役者を夢見た少女だから、歌舞伎役者の母としてできることがある~
2024.06.21
Vol.117
~1杯で幸せになる利他的なコーヒーを目指して~
2024.05.21
Vol.116
~多くの人の期待と希望を背負う街づくりほど、面白い仕事はない。~
2024.04.19
Vol.115
~この楽器だからこそできる表現を。歴史ある箏を武器に世界を目指す~
2024.03.21
Vol.114
~勝負の気持ちから感謝の気持ちに。青森の伝統を守り、盛り上げたい~
2024.02.21
Vol.113
~学問という知的な武器を子どもたちに。学びの体験をアップデートして日本を変える~
おすすめ記事
2018.06.21
SPECIAL TALK Vol.45
~日本人を世界で一番ワインの味がわかる国民にしたい~
- PR
2024.11.20
銀座で女性と過ごす夜。アイリッシュウイスキーが引き寄せた、2人だけの密やかな高揚とは
2024.03.10
「コスパが良くて、特別感があって絶品!」歓送迎会の参加者全員が喜ぶ、銀座・丸の内の店3選
2015.11.05
博多に出張行ったら、この“うまかもん”たちでお腹いっぱいに!
- PR
2024.11.18
総勢100名に当たる!西友&東急ストアで「スプリングバレー」を買って東カレ厳選グルメをもらおう!
- PR
2024.11.21
クリスマスは絶景を望むホテルデートへ!彼女がワッと喜ぶ、とっておきの夜を丸の内で過ごすなら…
- PR
2024.11.22
渋谷在住の29歳OLが自分へのご褒美に♡と、奮発したあるモノとは?
2023.06.03
「銀座で食事会」なら、思いっきりゴージャスに!個室でゆったり寛げるレストラン4選
- PR
2024.11.22
2024年の締めくくりはこれで決まり! 美味でゴージャスな「アメリカンビーフ」を楽しめるステーキハウス4選
2023.07.05
ハラスメント探偵~通報編~
妻から心配されるほど激務に追われていたプロダクトマネージャーの男性。上司に相談を持ちかけたら…
東京カレンダーショッピング
『佐藤養助商店』:門外不出の技による、喉ごし滑らかな"稲庭干饂飩"
『かに物語』:ふっくらと肉厚な一本爪が2本入ったフレンチカレー
『西岡養鰻』:特製タレ付き!脂の乗った高品質な鰻を土佐備長炭で丁寧に焼き上げた蒲焼
『マルヒラ川村水産』:ご飯に載せて贅沢いくら丼!1粒1粒に旨みが凝縮された、とろける食感の北海道函館産天然いくら
『North Farm Stock』:北海道産ミニトマト使用!糖度が高く、コクとうまみがたっぷり詰まったトマトジュース
『ル・ボヌール 芦屋』:フリーズドライフルーツにホワイトチョコがたっぷりと染み込んだ新感覚スイーツ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"