大阪LOVERS Vol.9

「悪気はなかったんです…」浮気疑惑女からのKY発言に、本命彼女が見せた最後の“女の意地”

あなたが大阪に抱くイメージは、どんなものだろうか?

お笑い・B級グルメ・関西弁。東京とはかけ離れたものを想像する人も少なくないだろう。

これは、そんな地に突然住むことになった、東京量産型女子代表、早坂ひかりの大阪奮闘記である。

東京から大阪に転勤することになったひかりは、結婚を視野に入れていた隆二と離れ離れに。

大阪で孤軍奮闘することを決意したが、先輩の淳子から大阪鉄の掟を叩き込まれて意気消沈。

失意の中、隆二からの自分勝手なプロポーズを断ったはずだが、なんと大阪に隆二とあの女が現れて…?!


―なんであの女がここにいるの…?!

待ち合わせていたヒルトンプラザに向かう途中、信じられない光景を目にして、隆二を思わず睨みつける。

「ひかり、会ってくれて本当にありがとう。まりやが、やっぱりどうしても直接誤解を解きたいっていうから、一緒に来てもらったよ。」

「初めまして、池上です。私のせいで二人の関係を悪くしてしまったと聞きました。悪気は全くなかったんですけど、誤解を招くような行動をしてしまい、申し訳ありません。」

そういって小首を傾げながらも、下から上まで品定めするかのような視線を浴びせてくる。目をそらしたら負けだと思うけど、目力が強すぎて、石にされてしまいそうだ。

「彼に最後に話をしに来ただけなので、池上さんは謝る必要はありません。私と彼の間のことにも、あなたは関係ありませんので、どうぞお引き取りください。」

女は、肩をすくめ隆二の方に助けを求める。

「まりやは帰国子女だから、向こうでは当たり前のスキンシップで他意は一切なかったんだよ。それに、関係ないことはないだろ?浮気したされたの勘違いから、始まったんだしさ…。」

そういって、隆二は耳打ちし、それを聞いたまりやは再度会釈しどこかへ歩いていった。

「ひかり、ごめんな。でも、誤解だけは解いておきたくて…。どうだろう?これで、俺の信頼は取り戻せた?」

―この人、全然わかってない!もう…!

「あーもう!私のアホ!こんな男が好きだったなんて!」

急な大声と聞きなれない単語に驚いたのか、隆二がぎょっとした顔でこちらを見る。

「私、もうあんたのことなんて好きじゃない。もう無理です。いますぐに別れて!」

周りの人が面白そうにこっちを見る。自分でも何をやっているんだろうと思ったが、周囲からの目線を人一倍気にする隆二に首を振らせるにはこれしかもう方法は思いつかないのだ。

隆二の顔がみるみる真っ赤に染まり、やがて小さく「わかった」と呟くのを聞いて、ひかりは少し気が晴れたのだった。

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