大阪LOVERS Vol.5

「結婚してほしい」ハイスペ彼氏からの突然のプロポーズに、28歳の量産型女子が喜べなかった理由

あなたが大阪に抱くイメージは、どんなものだろうか?

お笑い・B級グルメ・関西弁。東京とはかけ離れたものを想像する人も少なくないだろう。

これは、そんな地に突然住むことになった、東京量産型女子代表、早坂ひかりの大阪奮闘記である。

東京から大阪に転勤することになったひかりは、結婚を視野に入れていた隆二と離れ離れに。

大阪で孤軍奮闘することを決意したが、先輩の淳子から大阪鉄の掟を叩き込まれて意気消沈。

そんなとき隆二に浮気疑惑が発覚し、ショックを受けたひかりはミスを犯し、休みをとって東京に帰ることにした。


金曜日の昼下がり。大賑わいの新大阪駅で、ひかりは551の行列に並んでいた。

大阪に来て1か月と少し、この週末に帰ることは引っ越し前から決めていたこと。午後休をとり、2.5日のプチ帰省だ。

浮気疑惑が発覚してから隆二との間に流れる空気は重たかったが、結局今回もひかりが歩み寄る形で消火した。決して100%心が晴れたわけではないが、「早く会いたい」と電話口で言われると、素直にうれしい。

―それにしても、この1か月はいろいろあったな。

大阪の勝手がわからず注意を受けたり、不注意で最悪の手配ミスをしてしまったり、情けないことも多いが、最近では確かな手ごたえのようなものも感じ始めている。

「いいこと教えたる。大阪は、加点方式やで!」

ドン底にいる時に淳子がかけてくれた激励は、今の心の支えだ。

加点を得るには、まずは現場を知ることだと、通常業務に加えて土日返上で店舗に顔を出すように努めた。すると、スタッフも次第に心を開いてくれるようになり、会話も増え良好な状態になりつつある。

一方、絵美子のことについては、未だ頭を抱えていた。

二股疑惑の勘違いから「あんたのこと認めへん」、と宣言されて以降、避けに避けられ、まだきちんと話せていないのだ。

勘違いの原因となった太郎からは、「茶化すつもりじゃなかった、ごめん。」とメッセージが来たが、こちらも急に変な態度をとったことを謝ったきり、連絡は取っていない。

きっと絵美子は太郎のことが好きなのだろう。ひかりが池上まりやの悪い噂をネット検索してしまうのと同じように、絵美子もひかりを攻撃したいのだ。

―だけど、私と太郎くんの場合は本当に勘違いなのに。

思わず、ため息が漏れる。

「新幹線乗ったよ、18時ちょっと前にそっちに着きます。早く会いたいよー!」

大阪でのもやもやを断ち切るように送ったメッセージは、すぐに既読になった。

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