あなたが大阪に抱くイメージは、どんなものだろうか?
お笑い・B級グルメ・関西弁…etc.
東京とはかけ離れたものを想像する人も少なくないだろう。
これは、そんな地に突然住むことになった、東京量産型女子代表・早坂ひかりの大阪奮闘記である。
「おめでとう。早坂さんにはこれから、ビューティーマネージャーとして頑張ってもらいたいと思っています。」
銀座に構える本社の一室、ひかりは心の中で大きく飛び跳ねた。思わずこぼれる笑みを必死でこらえる。
幼いころから憧れていたラグジュアリーブランド。総合職には書類選考で驚くほどあっけなく落ち、諦めきれずに同じブランドの化粧品部門の販売員になってはや6年。とうとう念願の本社勤務だ。
ビューティーマネージャーは、優秀な販売員が不定期に抜擢される、ひかりの目標だった。
「ありがとうございます。ご期待に応えられるよう精一杯頑張ります。」
万人ウケする笑顔で話すひかりに、上司はゆっくり話を切り出した。
「早坂さんって、東京出身よね?今は実家に住んでいたと思うけど。」
「はい!いまも赤羽の実家から通わせていただいていますし、本社勤務でも実家から通います。」
―数年以内に、もっと近くなるかもしれないけれど。
ひかりには付き合って二年になる彼氏・隆二がいる。中目黒在住の彼と一緒に住むことになったら、日比谷線で数駅の距離だ。
思わず顔がほころんでしまうひかりを見ながら、上司は告げた。
「そう。実はね…。早坂さんには大阪で頑張ってほしいの。」
「…え??」
ひかりは思わず、上司の顔を二度見した。
この記事へのコメント
と素直に応援したくなりました。
私も連休明け業務頑張りますっ。