新時代の実力派 贔屓にしたい若手注目株 Vol.3

スシドコロオウ

すし処 央

谷脇 裕史 32歳

築地で同世代の魚屋から仕入れる。「互いに切磋琢磨するのが楽しい」

激戦区銀座で満を持して勝負

店の扉を開けたとたん、爽やかな檜の香りが鼻孔にふわり。何せ今年5月にオープンしたばかり、握りを直接置く付け台だって染みひとつなく清らかだ。大将の谷脇裕史さんも、お店同様フレッシュを絵に描いたような人。目元が涼しい若き職人だが、中学二年でこの道に心を定めたと聞けば決して早すぎる独立ではあるまい。

『寿司田』に入社後、銀座の系列店で腕に磨きをかけた谷脇さん。27歳にして『すし田乾山 銀座松屋店』の店長を任されるに至るが、そこまで順風満帆だったわけではない。「修業時代、おいしくないから握る人代わって、とお客様からストレートに言われたことも。銀座は怖い街ですね」。

そんな舌と目の肥えた客に育てられ、気づけば目の前の席を占める常連が増え、独立後もお茶を挽く間がないほど。夜は新妻にして女将の千央さんと客をもてなす雰囲気も和やか。「銀座らしく緊張感漲る店?自分には無理ですよ」。カラリと笑うが、繰り出す握りは実に端正、はや熟練の気がピリリと漲る。

左.蒸し鮑。旬を迎えた房総産

右.手前から佐渡産のまぐろ中トロ、利尻産のウニ、舞鶴産の新子。シャリは氷見産のコシヒカリ

タコの桜煮。煮た後にじっくり蒸すことでサクッと心地よい食感に。料理はすべておまかせ¥15,000~より

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