リスクを嫌う男 Vol.9

リスクを嫌う男:寡黙な男は要注意。会話のない夫婦を襲った突然の離婚危機

−保険プランニング−

そのとき、人間の本性が自ずと露わとなる。

三上保(みかみ・たもつ/30歳)は、外資系保険会社の保険プランナー。

垣間見える男女の闇を目撃するたび「結婚は最大のリスクである」と考えを拗らせていく保だが、運命の出会いは突然やってくる。

小悪魔美女・美里に心奪われる保。が、彼女は貯金0円の浪費女だと判明。しかし意外な素顔を知り、内面にも心惹かれていくのだった。

石垣出張から戻った保は、美里の契約を成立させ、ついに初めて一緒にディナーを楽しむ

その場で美里から名の知れた経営者を紹介され、保は彼女とその男との関係を疑うが、無事に誤解であることが判明し、ホッとするのだった。


原井美里の人脈


「必ずどなたか紹介しますから、待っててくださいね♡」

そう言って電話を切ってから、およそ2週間後。

保が赤坂の『土佐料理 袮保希』で鰹のタタキ定食を食べ終え、ちょうど外に出た時…原井美里から、約束どおりに連絡がきた。

さすがにリップサービスだろう。そう思いながらも期待して待っていた保は、スマホ画面に美里の着信を確認したとき、待ってましたとばかりに0.3秒の素早さで応答ボタンを押した。

「三上さん、今大丈夫ですか?」

彼女も仕事の合間なのだろう。

きびきびとした、しかし柔らかい言い回しに心がほぐれる。

「紹介したい人が…ええっと、ざっと5人ほど見つかったんです。連絡先は、メールで送るのがいいでしょうか?」

「5人!?」

保険プランナーになってもうすぐ2年になるが、一度に5人の紹介が出るなんて前代未聞である。

「そんなにたくさん…!助かります。ありがとうございます」

−いや、すごいな…。

その敏腕ぶりに心から感心していると、美里はこんな嬉しいことまで言ってくれるのだった。

「だって、私のたった月額1万円の契約にとても親身になって頂いたから。信用できるプランナーさんは、どんどん紹介してあげないと!」

美里のピュアな賛辞に「それは、原井さんだから」と言いかけ、保は慌てて口を閉じるのであった。

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