リスクを嫌う男 Vol.8

リスクを嫌う男:まさかあの、名の知れた経営者まで…。(自称)モデルに転がされる愚かな男

保険プランナーのプライド


そもそも、法律上の親族以外を保険金受取人に設定することなど、できない。

中條の既存プランナーが門前払いしたのも当然だ。

−それで、俺を呼んだのか…。

若手の、外資系保険プランナー。その種の人間に世の中が抱くイメージなら、保もわかっている。中條も、拝金主義の男ならなんとかしてくれる、とでも思ったのだろう。

しかしそれは、大きな誤りである。

「申し訳ありません、中條さん」

保は目に力を込めて、中條を見据えた。

「お金の使い道については、とやかく言うつもりはありません。

ただ…おそらく担当のプランナーさんもおっしゃっていたはずですが、いくら懇意にしていても、法律上他人である女性を受取人にすることはできないんです」

きっぱりと告げた保を、中條はしばらく何か言いたげに見つめた。

しかし一向に怯まぬ様子を見届けると、渋々「そうか」と呟くのだった。


夕刻、渋谷の空が、少しずつオレンジ色に染まる。

鬱々とした気分で中條のオフィスを出て駅へと向かう途中、保は、原井美里のオフィスもこの近くであることを思い出した。

彼女とは既に契約締結済であり、初回支払いも確認している。

特にもう、美里に連絡を取る必要性はなかった。 ......


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