2018.02.21
SPECIAL TALK Vol.41留学先のアメリカで、人生のテーマを見つける
金丸:その憧れから、高校時代に留学されたんですよね。
仲條:はい、高校3年生のときにアメリカへ1年間留学しました。
金丸:アメリカを選んだのは、何がきっかけだったのですか?
仲條:すごく大好きな本があったんです。『ハローフロムアメリカ!』という留学記なんですが、100回以上は読みました。日本の女子高生がアメリカに留学し、そこでの様々な出来事を書いた手紙をまとめたもので、それを読んでは妄想していました。もし今ここが、アメリカだったらって。
金丸:テレビを観ては妄想し、本を読んでは妄想し(笑)。
仲條:そうです(笑)。そうしたら当然行ってみたいじゃないですか。でも田舎なのですごく保守的で、両親はもちろん、親戚からご近所さんまで大反対。「女の子が留学なんて、あり得ない」って。それでも親を説得するために、毎日手紙を書いていました。
金丸:え? 一緒に住んでいたんですよね。
仲條:ええ。どうしても行きたいという思いを夜中に書いて、学校に行く前に「郵便です」って渡して。
金丸:ご両親は説得できましたか?
仲條:ダメでした。でも祖母が留学のための費用を出してくれることになったんです。「使い道は自分で決めなさい。これはあなたへの投資だから」と。
金丸:熱意が通じたんですね。
仲條:本当にありがたかったです。
金丸:留学先は、アメリカのどこだったんですか?
仲條:アイダホです。
金丸:アイダホって、農業とか畜産とか第一次産業のイメージですが、仲條さんが希望されたのですか?
仲條:いえいえ、私の希望は都会で暖かいところ。ハワイ、カリフォルニア、フロリダでした。だからアイダホって聞いたとき、「え? どこ?」と地図で探したら、ロッキー山脈のど真ん中にあって。盆地なので夏は40度以上、冬はマイナス20〜30度になるんです。
金丸:希望とはかなり違いますが。
仲條:すっごく寒いので、やることは勉強しかない。まあ、それはそれでよかったのかなとも思っています。
金丸:留学した時点で、英語は話せたのですか?
仲條:あまり。なので最初のうちは、宿題が出ていることすらわからなくて(笑)。もう、これはやるしかないと頑張りました。おかげで成績はほとんどA、学校で表彰もされました。
金丸:それはすごい。しかし、今から30年近く前で都市部じゃないとなると、日本に対してあまり理解がなかったのでは?
仲條:そうなんです。冷蔵庫を指差して、「これ何だか知ってる?」って聞かれたり。
金丸:見たことないだろ、と。
仲條:しかもその冷蔵庫、日本製なんです(笑)。日本のメーカーの製品を使っているのに、そのことを知らない。日本のイメージってまったくないんですよね。アメリカって、グローバルな国なのに、アメリカの外に目を向けている人たちはほんの一部で、結構ドメスティックな国だなあと感じました。
金丸:私もアメリカで、似たような経験をしたことがあります。
仲條:ホームステイ先の車はホンダのシビックでしたが、日本車に乗っているという感覚はまったくない。日本のことがあまり浸透してないのは、日本企業の発信力にも原因があるのかもと考えました。それこそ日本の教育では、自分のことをどうやって主張するかなんて教えませんからね。そのとき日本のことを世界にもっと知ってほしい、そのために情報を正しく発信したいという思いが生まれ、それが今に至るまで、ずっと私のテーマになっています。
【SPECIAL TALK】の記事一覧
2024.11.21
Vol.122
~自分の体を認めることが、自分を好きになるための第一歩になる。~
2024.10.21
Vol.121
~スポーツの喜びをより多くの人が体験できるよう、これからも挑戦はやめない。~
2024.09.21
Vol.120
~日本の農業が続くための仕組みを作り、アップデートできるよう挑み続ける~
2024.08.21
Vol.119
~すべてを制覇したい気持ちは変わらない。経営陣になっても燃えたぎる闘志がある~
2024.07.20
Vol.118
~歌舞伎役者を夢見た少女だから、歌舞伎役者の母としてできることがある~
2024.06.21
Vol.117
~1杯で幸せになる利他的なコーヒーを目指して~
2024.05.21
Vol.116
~多くの人の期待と希望を背負う街づくりほど、面白い仕事はない。~
2024.04.19
Vol.115
~この楽器だからこそできる表現を。歴史ある箏を武器に世界を目指す~
2024.03.21
Vol.114
~勝負の気持ちから感謝の気持ちに。青森の伝統を守り、盛り上げたい~
2024.02.21
Vol.113
~学問という知的な武器を子どもたちに。学びの体験をアップデートして日本を変える~
おすすめ記事
2018.01.20
SPECIAL TALK Vol.40
~“人の移動”までも劇的に変化する未来がもうそこまで迫っている~
- PR
2024.11.20
銀座で女性と過ごす夜。アイリッシュウイスキーが引き寄せた、2人だけの密やかな高揚とは
2016.07.05
年収1,000万超の秘密とは!人気職業"総合商社"の給料の実態に迫る
2015.02.05
絶対に負けられない接待が、今宵はある
絶対に負けられない接待が、今宵はある:『琥珀宮』編
- PR
2024.11.18
総勢100名に当たる!西友&東急ストアで「スプリングバレー」を買って東カレ厳選グルメをもらおう!
- PR
2024.11.21
クリスマスは絶景を望むホテルデートへ!彼女がワッと喜ぶ、とっておきの夜を丸の内で過ごすなら…
2016.02.01
中国ビジネス関係者必携!日本で唯一の中国歳事が全網羅のカレンダー登場
2023.10.11
ハラスメント探偵~通報編~
“頭をポンポン”しながら「頑張れよ」という上司に鳥肌!ハラスメント相談窓口に駆け込むも…
2023.10.11
ハラスメント探偵~解決編~
あなたは当てはまってない!?気をつけていてもハラスメントする人の3つの傾向
2016.09.30
年末に向けてマスターしよう!これが接待を制するとっておきレストラン8選
東京カレンダーショッピング
『佐藤養助商店』:門外不出の技による、喉ごし滑らかな"稲庭干饂飩"
『かに物語』:ふっくらと肉厚な一本爪が2本入ったフレンチカレー
『西岡養鰻』:特製タレ付き!脂の乗った高品質な鰻を土佐備長炭で丁寧に焼き上げた蒲焼
『マルヒラ川村水産』:ご飯に載せて贅沢いくら丼!1粒1粒に旨みが凝縮された、とろける食感の北海道函館産天然いくら
『North Farm Stock』:北海道産ミニトマト使用!糖度が高く、コクとうまみがたっぷり詰まったトマトジュース
『ル・ボヌール 芦屋』:フリーズドライフルーツにホワイトチョコがたっぷりと染み込んだ新感覚スイーツ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"