SPECIAL TALK Vol.41

~必要としている人に適切な情報を届けていきたい~

金丸恭文氏 フューチャー株式会社 代表取締役会長兼社長

大阪府生まれ、鹿児島県育ち。神戸大学工学部卒業。1989年起業、代表取締役就任。規制改革推進会議議長代理、未来投資会議構成員、経済同友会副代表幹事、NIRA代表理事を務める。

社会とのつながりがバランスのいい人間を作る

金丸:外資系企業であるブルームバーグ、グーグルで働き、何度も留学経験をお持ちの仲條さんから見て、日本は今後どうすべきだと思いますか?

仲條:日本のことをいかに世界に知ってもらうかは、私にとって人生のテーマです。私は日本が大好きで、日本人の優しさやクリエイティビティ、文化など素晴らしいものがたくさんあるのに、なぜそれをパワーに換えられないんだろうって思うんです。YouTubeでも、韓国のアーティストは世界にどんどん出ていく。日本発でも世界を席巻した、ピコ太郎さんの『PPAP』がありますが、日本国内にある程度の市場があるから、視線が国内に向いてしまうんでしょうね。しかし、こんなに素晴らしいアーティストやコンテンツを日本国内だけで終わらせてしまうのはもったいない。もっと戦略的に海外に出ていけるように、お手伝いがしたいです。

金丸:世界に出れば評価されるであろう価値が十分あるのに、チャレンジしないのはもったいないですよね。では最後に、働く女性の皆様にメッセージをいただけませんか?

仲條:女性に限らず若い人たち全般に伝えたいことは、1つのことに集中するのもいいけれど、いくつかのことを同時並行で動かすほうがいいよ、ということです。本業をしっかりやらなきゃいけないのは当然ですが、家族のことを第一に考え、仕事以外のところで社会とつながりを持っておくと、バランスのいい人に成長できると思います。

金丸:私もマルチタスクには、いろいろな利点を感じています。シングルタスクは深く掘り下げられるけれど、どうしても途中で疲れてしまうし、逃げ場がない。しかしパラレルだと、確かに忙しいけど、違うことをやっていて本業に戻ったときに、新しいアイデアが出ることがある。

仲條:別の立ち位置から本業を見ると、見落としていたことに気づいたり、多面的な見方ができたりしますよね。私は1年に1つ新しいことに取り組もうと決めていて、去年は偶然にも2つの新しいことを始めました。YouTubeの日本代表と、世界で2番目に大きいNGOである国際家族計画連盟の理事の拝命です。

金丸:それはお忙しいでしょうね。

仲條:でも仕事の部分と社会と向き合っている部分の両方があると、自分が生かされている意味というものを改めて感じます。だから、大変だけど頑張れるんです。あと若い人たちには、何か困難にぶつかったとき「これは無理だ」と自分自身の可能性を消していくんじゃなくて、広げていくように考えるクセをつけてほしいですね。ただし、体は壊さないように(笑)。

金丸:本当に(笑)。仲條さんにもますます活躍していただきたいですから、お体には気をつけてください。本日はありがとうございました。

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