気分の上がる、艶やかビストロ Vol.4

浅草なのに全国から通う人が続出! カウンター8席のみの最注目ビストロは何がスゴいのか!

マスタードとアンチョビが効いた「ウフマヨ」(¥300)をはじめ、『ペタンク』には“ちょっとつまみたい”というワイン好きの欲を満たすメニューが揃う

メニューを見ると、速水さんは「財布に優しすぎますね!」と驚いた。300円のウフマヨに始まり、もち豚のリエットも鶏レバーのムースも500円。メインディッシュも1,500円前後と、巷のビストロよりもよっぽど手ごろなのだ。

「時間がかかる手のこんだ料理でも高くない。フレンチベースだけど親しみやすい料理をカジュアルに味わえるのがいいですね。それでいて、揚げものやパスタもあってガッツリ食べることもできる。メニューも雰囲気も気取ってなくていいですね」

豚の肩肉をフライパンとオーブンでローストし、バーボンでフランベしたジンジャーソースで仕上げた「もち豚ポークジンジャー」(¥1,500)。生姜が香るソースはバーボンによる深みもある下の芋まで異様に旨い

新日本橋にある、にぼしパスタ専門店『シシニボタン』からゆずり受けた「にぼバターパスタ」(¥1,200)。煮干しの旨みと佐賀の海苔の香り、バターのコクとの調和がたまらない!パスタは「浅草開化楼」の生パスタを使用

リピート必須の「チューリップカラアゲ」(¥800)は素朴なしょうゆ味。クリスピーかつジューシーな味わいは、常備されているクラフトビールとも相性抜群だ

そう速水さんが言うとおり、いかにもなビストロメニューではなく、「こういうのが食べたくなるんじゃないかな」という山田氏の想像力が体現されたメニューが並ぶ。

懐かしのチューリップカラアゲもその例で、泡ものを飲んでいれば“カラアゲ〟の文字が眩しく見えてくる。

そしてメニューと同じく、店主自身にも気取りはゼロなのだ。

オレンジワインを飲む速水さん。ワインはナチュールを揃え、メニューはないためボトルを見せてもらい決めるスタイル

人の少ない時間であればカウンター越しの会話も醍醐味。速水さんはハンガリーとフランスで料理経験のある山田氏の話に興味津々。

「ハンガリーのクルマはスズキの軽が多いんですよ」「パリで食べた一番長いコースは5時間でしたね」なんて話に笑いながらワインを飲む。

「食事はもちろん、どこかで食べたあとに、ワイン一杯だけのために立ち寄りたい。色んなシチュエーションで来てみたいですね。こういうカジュアルな店があると浅草に足を運びやすくなる。洗練されてるのに、空気感は下町なのが落ち着きます」

山田氏の分身である起き上がりこぼしや“ワインはジャケ買い”と書かれたスケッチブック(ワインメニューはない)、吉原の遊女が描かれた手ぬぐいなど面白い小物がワンサカ

お酒も料理もリラックスして食べるのが一番美味しい。噂の店は、そんなことに改めて気づかされる大らかな店だった。

■プロフィール
はやみ・もこみち 1984年生まれ、東京都出身。日本テレビ系『ZIP!』内の“MOCO'S キッチン”に出演中。DVD&テキスト『速水もこみちのクッキングマイスター講座』が「資格のキャリカレ」にて販売

■クレジット
Photos/RYOHEI WATANABE〈model〉, Ryoma Yagi〈food〉, sono@bean〈shop〉, Styling/FUYU, Grooming/Koichi Takahashi@nestation, Text/Tomoko Oishi

週末デートに「浅草」という手があった!

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