メニューを見ると、速水さんは「財布に優しすぎますね!」と驚いた。300円のウフマヨに始まり、もち豚のリエットも鶏レバーのムースも500円。メインディッシュも1,500円前後と、巷のビストロよりもよっぽど手ごろなのだ。
「時間がかかる手のこんだ料理でも高くない。フレンチベースだけど親しみやすい料理をカジュアルに味わえるのがいいですね。それでいて、揚げものやパスタもあってガッツリ食べることもできる。メニューも雰囲気も気取ってなくていいですね」
そう速水さんが言うとおり、いかにもなビストロメニューではなく、「こういうのが食べたくなるんじゃないかな」という山田氏の想像力が体現されたメニューが並ぶ。
懐かしのチューリップカラアゲもその例で、泡ものを飲んでいれば“カラアゲ〟の文字が眩しく見えてくる。
そしてメニューと同じく、店主自身にも気取りはゼロなのだ。
人の少ない時間であればカウンター越しの会話も醍醐味。速水さんはハンガリーとフランスで料理経験のある山田氏の話に興味津々。
「ハンガリーのクルマはスズキの軽が多いんですよ」「パリで食べた一番長いコースは5時間でしたね」なんて話に笑いながらワインを飲む。
「食事はもちろん、どこかで食べたあとに、ワイン一杯だけのために立ち寄りたい。色んなシチュエーションで来てみたいですね。こういうカジュアルな店があると浅草に足を運びやすくなる。洗練されてるのに、空気感は下町なのが落ち着きます」
お酒も料理もリラックスして食べるのが一番美味しい。噂の店は、そんなことに改めて気づかされる大らかな店だった。
■プロフィール
はやみ・もこみち 1984年生まれ、東京都出身。日本テレビ系『ZIP!』内の“MOCO'S キッチン”に出演中。DVD&テキスト『速水もこみちのクッキングマイスター講座』が「資格のキャリカレ」にて販売
■クレジット
Photos/RYOHEI WATANABE〈model〉, Ryoma Yagi〈food〉, sono@bean〈shop〉, Styling/FUYU, Grooming/Koichi Takahashi@nestation, Text/Tomoko Oishi
週末デートに「浅草」という手があった!
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