数多ある飲食店の中でも、昨年から今年にかけて最も注目を集めたのが、こちらの『ペタンク』だ。
昨年4月のオープン以来、東京中の食い道楽たちが足を運んでいるという。
浅草の、しかも観音裏というエリアでありながら、いちやく超人気店となった、その秘密を知るために速水もこみさんが店に向かった。
気付いたら隣の人と仲良くなっている。この店にはそんな空気がある
『ペタンク』
賑やかな浅草の観光地から離れた浅草寺の裏手側、〝観音裏〞と呼ばれるエリアがいまアツい。もとは花街として栄え、そこに集まる芸者に合わせて、玄人好みな店が点在していた。
その流れを受け、近年は若き店主によるお洒落な店が急増。そして、観音裏ブームを爆発させたのがここ『ペタンク』だ。
昨年4月にオープンした店は、たった8席のカウンターのみ。店主の山田氏は、西麻布の『ザ・ジョージアン・クラブ』、在ハンガリー日本大使館の公邸料理人、パリの『ズ・キッチン・ギャラリー』と、ユニークな経歴をもつ料理人。
店を〝マイクロビストロ〞と名付け、その心を「一切の堅苦しさを排除して、酒場感覚で気軽にワインと料理を楽しんでほしかった」と話す。
『ペタンク』には、そういった想いが詰まっており、大きな窓から店内を覗けば、誰もがフランクに垣根なく食事を楽しんでいる様子が見えてくる。
そんな話題のお店を速水さんはどう思うのだろうか。
「ここのカウンターが特徴的ですね。ぎゅっとしているから、ひとりで来ている人も周りと会話が弾みそうです」というのが、『ペタンク』に入った速水さんの第一印象。
“ぎゅっと〟というのは的確で、8席のカウンターが埋まると、そこには妙な一体感が生まれる。
店奥のトイレに立つ際は、「すみませ~ん」と声をかけなければいけないほど、正直、狭い。
でもそのおかげで、客同士が自然と言葉を交わし始めるとか。不便さを分かち合うことが、逆に楽しくなる店だ。
この記事へのコメント
コメントはまだありません。