青田買いのスゝメ Vol.15

「時間を費やしたからこそ、大切な存在になった」年下男との恋愛の末に見えた真理

結婚に適した男は、30歳までに刈り取られる。

電車で見かけた素敵な男は大抵、左手に指輪がついている。

会社内を見渡しても、将来有望な男は30歳までに結婚している。

そんな現実に気づいたのが、大手不動産会社勤務の奈々子・28歳。

同世代にはもう、結婚向きの男は残っていない。ならば・・・。

そうして「青田買い」に目覚めた奈々子は、幸せを掴むことができるのか・・・?

田中の両親への挨拶も終わった奈々子。ティファニー本店前で、その時はくるのか?


「まーくん、エビフライ焦げてる!」

「わあ、あ、ぎゃっ、あちっ!」

ある日曜日。

1週間分の料理を一緒に作り置きするのは、奈々子と田中のルーティンになっている。

黒焦げのエビフライを見つめながら、田中は「また失敗しちゃった・・・はあ」とがっくり肩を落とした。

「仕方ないわよ。練習あるのみ!」

そう言って田中を励ます奈々子だが、実は彼の成長には驚くばかりだった。

当初は、目玉焼きもろくに焼けなかった田中が、今や揚げ物に挑戦している。掃除だって、ゴミ捨て専門要員だったのに、いまや重曹を使ってキッチン周りを掃除しているのだ。

ゆっくりだが着実に、家庭的な夫へと成長中だ。

「そうそう、奈々子さん。今月のレストラン巡りは、『リストランテ エッフェ』にしました」

「そこ行ってみたかったの。嬉しい!」

二人は、月に一度時間を合わせて美味しいものを食べにいくと決めている。

出会った当時は、ラーメンしか提案してこなかった田中も、いまやなかなかの食通だ。

「その日は、ティファニー本店前で待ち合わせしましょうか」

−ティファニー本店前・・・。

奈々子は、あの日の出来事を思い出しながら、田中に向かって大きく頷いた。

【青田買いのスゝメ】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo