恋の大三角形 Vol.11

恋の大三角形:彼に選ばれる存在になるために。私ができる、たった1つのこと

東京を生きる女たちは、もう気がついている。

「素敵な男の隣には、既に女がいる」という事実に。

自分が好きになるくらいの男を、他の目ざとい女たちが見過ごすはずがないのだ。

商社マン・洋平(30歳)と運命の出会いをした彩花(26歳)。

しかし洋平には彼女・繭子(29歳)がいた。諦めきれない彩花は夏美のアドバイスのもと初デートを実現。

しかしある夜、彼女と歩く洋平にばったり遭遇。彩花は、洋平から本命彼女の前で存在を無視され、自分の立場を思い知る。しかしすぐその日の夜、洋平からフォローのメールが届き、再び会うことに。

覚悟を決めた彩花は、「私を誘うなら、彼女と別れてほしい」と洋平に迫った


私の言動は、正しかった?


「すごい。やるじゃない、彩花!」

熱燗でほんのり頬を赤くした夏美さんが、興奮気味に私の肩をたたく。

今日は久しぶりにゆっくり食事でもしようと言って、仕事終わりに夏美さんが『くずし割烹 かのふ』に連れてきてくれた。

「いや…私も勢いで口走ったような感じで、これが正解だったのかどうか。彼女と別れる保証なんてないわけだし、もうこのまま会えなくなっちゃうのかも」

−次に私を誘う時は、彼女と別れてからにしてください。ー

あの日、私の言葉を聞いた洋平くんは、驚いた様子で暫し黙り込んだ後、「…そうだよな、わかった」とだけ言った。

「先のことはわからないけど…現時点において彩花は正しい判断をしたと思うわよ。大半の女は、彩花みたいにはっきり言えず自ら都合の良い女に成り下がるんだから。…それに、まだ一線を超えてないというのがさらに有利よね」

夏美さんはそう言って、ひとり頷きながら満足そうにお椀を啜っている。

不安につきまとわれてはいても、私自身、はっきり告げたことは後悔していない。

洋平くんと一緒に過ごす時間は、夜のバーでも昼のカフェでもとにかく楽しい。自信とまではいかないが、楽しいと感じている気持ちは、彼もきっと同じだと思える。

–後はもう、運を天に任せよう。

夏美さんに勧められるまま、私はそう自分に言い聞かせるように、お猪口を手に取りぐいっと飲み干した。

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