繭子side−29歳の憂鬱
「味付けは、粒子の大きい砂糖から。次にみりん、塩分は味見しながら、最後に少しずつ足していきます」
無条件に心が和らぐ、優しい出汁の香り。
その間を漂うようにして、講師の女性の声が滑らかに届く。
隣で優奈(ゆうな)が「ああ、いい香り」と微笑むのに頷きながら、私は手元に......
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「味付けは、粒子の大きい砂糖から。次にみりん、塩分は味見しながら、最後に少しずつ足していきます」
無条件に心が和らぐ、優しい出汁の香り。
その間を漂うようにして、講師の女性の声が滑らかに届く。
隣で優奈(ゆうな)が「ああ、いい香り」と微笑むのに頷きながら、私は手元に......
東京を生きる女たちは、もう気がついている。
「素敵な男の隣には、既に女がいる」という事実に。
自分が好きになるくらいの男を、他の目ざとい女たちが見過ごすはずがないのだ。
旅メディアで働く彩花(26歳)が、取材先のスリランカで出会った爽やかな商社マン・洋平(30歳)。
この出会いは、運命か。それとも...?
この記事へのコメント
自然な気持ちだと思うけど。